というわけで、これを書いている今はもう帰国後の自宅。
チューリヒ5公演目の昼公演の感想と動画。
楽日は全て南側、つまり正面という夢のようなお席。
ここで初めて全貌が明らかになったという感じです。
大きなNYの風景をバックに繰り広げられるパフォーマンスに、
物語がより明確に見えてきました。
昼公演はスーアリ後ろの通路の更に後ろの2列目。
もう少し後ろの方が、リンクの広がりが見えて良かったか。
楽公演がなんとほぼセンター1列目なので、
あえて正面俯瞰で見るのが良かったかなと、
過ぎてみて感じました。
もしもチケットを手配するなら初回こそ南側スタンドがお勧め!
リンクの照明もバックスクリーンも丸見えだもんね。
前のお客の頭も気にならないし(笑)。
さて、
楽日は私の周囲のお客のノリが大変良く、
リフトしては「おー!」
回っては「おー!」
こけては「あー・・・。」(ため息)
楽しくて「はっはっはっはっ。」
なので、こちらもひゅーひゅー言いやすかったです。
昼公演の動画を2本アップしますね。
この回の大輔さん、いい感じ!!
上がってきましたね!
【Caravan】
前日は、キレがあれれ?スピードもあれれ?
振りも減って物足りない感じだったけれど、
初演よりよくなってたとD友さんから聞いて、
楽日はきっと上がってきてるだろうと期待していました。
すると、やはり前日とは打って変わって、
キレもスピンの速さも足さばきも戻ってきている感。
洗練されてきてることが嬉しい!
最初の手をパッとあげる振りからいい感じ。
2014キャラバンまではまだですが、
指先に自己主張が蘇ってきたのが生き生き度を上げています。
私達にはなじみのし~も投げキスも封印。
スーアリという近視眼的なお客を煽るよりも、
スタイリッシュなラテンジャズを踊りきることに心血を注ぐ作戦かな。
ギラギラした路線で踊り狂うのもいいかな。
だって、あれを受けても、きゃーでもぴーでもないんだもん(笑)。
ステファンがやっても全然なのよ~。
そりゃ日本に来てやるのが楽しくなるはずだわね。
アンドリューを手ぐすね引いて待ってる私達ですからね。
でも、ここチューリヒでは、
多くのお客が「人を」じゃなくて「イベントを」見に来てるんだね。
それにそもそも流し目文化も掛け声文化もないよね。
その代わり、拍手、ひゅーひゅー、足踏みで賞賛を表現するのね。
そう割り切って堂々とかっこつけて、無反応でも煽るか、
寒い空気を出さないために省くか。
うん、今は省いて正解という気もします。
お客が待っているようならやれば良し。
客層に合わせたパフォーマンスって大事。
【Person I Should Have Been】
ダンボ輔さんもいい!
音との一体感が更に増していて、
俳優からダンサー度が移ってきた感じ。
持ち前の音楽の解釈が見えるような動きの緩急がはっきりしてきました。
こうでなくちゃね、大輔さんは!
さてさてここでは大輔さんは劣化したパンツを履いています。
きのうまでは普通の黒だったのに、
破けていたりつぎはぎしていたりのパンツです。
よりリアリティがでてきますね。
大輔さんは、絶望の底にいる一人のニューヨーカーを、
苦悩の舞踏で表現しています。
全体の中ではリーマンショック後のNYの一つの人間像担当。
キャラバンとの対比がこの回は良くなってきました。
チューリヒのお客さんは、
ジャンプは高く、スピンは高速がお好みのように感じますが、
疲れ果て、絶望の底にいる家の無い男にそのようなものは不似合い。
汚れ役大輔。
結構難しいプロだと観れば見るほど思う。
今日、空港でお会いした方が、
「ハーフループが合ってる。」
と仰っていましたが、
あ、なるほど!と思いました。
しかし今年はジェフにしろこのプロにしろ、
「苦い」男を彼に振ってきましたな。
そういうもんをさせてみたくなる年齢ってことかな。
華やかさの陰の存在をわかってきた年齢ってことか。