(崩壊した世界。とある孤島にひとつ建つ家)
(目覚めてベッドから出るセリス)
シド:おお セリスよ……
おお セリスよ……
やっと目がさめたか。
セリス:私……どれくらい眠っていたの?
シド:ちょうど1年じゃよ。もう助からんかと思っておった。
セリス:1年間も……シドが私をかいほうしてくれたのね?
シド:ああ、でもわしももうつかれた。
(外を見るセリス)
シド:小さい無人島じゃよ。世界が引き裂かれた後、気づいたらこの島に倒れておった。
セリス:引き裂かれた……夢じゃなかったのね。
みんなは? …ロックは?
シド:わからん。島以外の事は何も…世界はこの島を残して全てちんぼつしてしまったかもしれん。
あの日から世界は一歩一歩破滅に近づいている……
草木や動物はどんどん死に追いやられ生き残った島の人も次々と希望を失い北の岬の崖から身投げしよった。
セリス:皆はもう……生きていないかも……
シド:セリスよ。気を落とすな。お前はわしにとって世界で一人の家族じゃ。ここでいっしょに静かにくらそう。
セリス:ええ……そうね…シド……いえ、おじいちゃん。そう呼んでいい?
シド:おじい!? へへ てれるのォ 突然孫娘ができたみたいで…… ゴホッ ゴホッ
セリス:ふふ おじいちゃん。
シド:ははは
セリス:おじいちゃん。
シド:なんだい?
セリス:おじいちゃん。
シド:なーに?
セリス:おじいちゃん。
シド:うんもういいかな!おじいちゃんと呼ぶだけのは!
セリス:おじいちゃん。
シド:続けるか!ははは ゴホッ ゴホッ
セリス:おじいちゃん。おなかすいたでしょ?
シド:ああ 三日前にね込んでから何も食っておらん。
セリス:何か食べたい?
シド:…と言っても海岸の魚くらいしか食い物はないがの。
セリス:私とってくる。
シド:1年眠っていたのにもう動けるのか。
さすがセリスじゃ。ワシの特製の点滴も良かったかの。
セリス:特製の点滴?大丈夫?なにか変なの入ってない?
シド:大丈夫じゃ!ギリギリ合法じゃ!
セリス:(ギリギリなんだ...)じゃあとってくるわね。
セリス:うー...動きが早くてなかなか捕まえられない...
あっ!動きが遅い魚!やったー!魚!とったわーーー!!!
(セリスが戻ると慌ててベッドに戻るシド)
セリス:おじいちゃん 魚よ、食べて。
シド:(えっ生で?)
セリス:あっごめんなさい生きてるのは嫌よね。剣で、えい!はいどうぞ。
シド:(やっぱり生で?)ありがとう。むしゃ むしゃ むしゃ
シド:もしかすると...長くないかもしれん。あ、いない。また魚をとりにいったか。
セリス:おじいちゃん魚よ!
(慌ててベッドに戻るシド)
セリス:食べて。あっごめん焼いたほうがいいよね。ファイラ!
シド:(ファイアでよくないか?)
セリス:どうぞ。
シド:むしゃ むしゃ ありがとう。毎日毎日。セリスよ。あっいない。すぐとりにいく...
セリス:うー今日はなかなかとれない...ラムウでもぶち込んでやろうかしら。あっ遅い魚。とれた♪
おじいちゃん!
(慌ててベッドに戻るシド)
セリス:じゃあ焼くわね。じごくのかえん!
シド:(なぜさらに火力上げた?)むしゃむしゃ
ワシに何かあっても...お前だけは望みをすてちゃいかん。ゴホッ ゴホッ
あっいない。1回くらい聞いて...
セリス:おじいちゃん魚よ!
(慌ててベッドに戻るシド)
セリス:今日は味変えてみるね。ブリザラ!はい、刻みこおり魚。
シド:むしゃむしゃ
ゴーホッ ゲホッ! セリス...ありが ゲーホッ まだ ガッホッ わしがしゃべれるうちに...ゲホッ
...いないか。ありがとう。セリス...
セリス:美味しそうな魚とれた♪
おじいちゃん今日はどうやって料理する?
シド:......
セリス:おじいちゃん。食べなきゃ体に…どうしたの?おじ…
シド......
セリス:うそ......うそよ!
ずっといっしょにくらすって約束したじゃ......
おじいちゃん返事をして! 冗談だって言ってよ!!
(走って出ていくセリス)
(フラフラと北の岬の崖を登っていく)
シドの声:何人か生き残った島の人も次々と希望を失い北の岬の崖から身投げしよった。
(崖の頂上)
(頂上では鳥も死んでいる)
セリス:みんな死んでいく。ロックも、もういない…世界はもうおしまいなのね。
(目を閉じてゆっくり後ろ向きに身投げするセリス。涙がキラキラとセリスの上に上がっていく)
(たまたま飛んでいた鳥に当たって一瞬落下スピードが落ちる)
鳥:フギュッ!!
(倒れているセリスのところに鳥が飛んでくる)
(気がつくセリス)
セリス:ふ...あなたが守ってくれたの? 何の希望もない私を助けて一体...
?
セリス:このバンダナは? もしや...
(インターセプターにめちゃくちゃ噛まれながら治療するロックを思い出す)
セリス:ねえ、あなた今どこから来たの? あなたの傷を手当てしてくれた人は生きているの? ねえ 答えて......
(鳥は飛んでいく。バンダナはその場に落ちた)
セリス:あの人は...生きているのね。ロック...
(家に戻ると手紙が落ちている)
「外の世界に出ろ。仲間はきっとお前の事を待っている。
ストーブの横の階段から下へおりなさい。そこに答えが待っているから。
おじいちゃんより」
(階段を降りるとシドが作ったイカダが)
セリス:おじいちゃんの分もせいいっぱ生きるわ...
(イカダで海へ出ていくセリスだった...)
(イカダで海を渡るセリス)
セリス:はあ...また夜...もう3日...なにもない。お腹すいた...
剣でこぎ続けるのも疲れた...でもこんなところでくじける訳には...
あれ?なにか当たった?魚ー!!!剣に魚刺さってるー!!むしゃむしゃ
う...気持ち悪い...私おじいちゃんにこんなの食べさせてたの?
私は1年前ガウにもらったほしにくやポーション飲んで。ごめんねおじいちゃん...
あっイカダに小さいカニ。食べられるかな?でもこの状況で見るとちょっとかわいい。
どうしよう............明日食べよ。
?またなにか当たった?食材?クジラ!!?待ってわざとじゃないの!怒らないで!
(尾ヒレが襲いかかってくる)
セリス:キャーーー!!!
(海に投げ出されるセリス)
セリス:あ、明日のカニ...
(気を失い流されるセリス)
......
......
セリス:う......私生きてるの...?私こんなに強運だったかな...
町...世界にまだ町あったんだ...
(アルブルグの町)
町人:うわあああ!!!あんたなんだその顔!?なんかもう顔の半分くらいクマじゃん!
ガリッガリだし!
セリス:酒場はどこ!!?
町人:酒場!?あ、あっち!
セリス:(剣を収める)あっちね!!?
町人:...人にたずねる時に剣向けるなよ。なんかビチョビチョの剣。
(酒場)
セリス:おかわり!!
マスター:まだいく!?もうミルク25杯めだけど!?
セリス:えーいミルクだ!ミルク持ってこーい!ヒック!
マスター:なんか酔っぱらってない!?ヒックって言ってるじゃん!
セリス:なにかつまみないの!?
マスター:つまみって言ってるじゃん!
(出て来るセリス)
セリス:はあ飲んだー。食べたー。さあ情報収集しないと。
町人:あの塔を見たかい?
男:塔の上には、三闘神の力を持ったケフカさまがいる...
この世界の神だ...
男:もうすべて終わったんだ...
老人:おぬしのその目のかがやき...
このまえ、この町をおとずれた
モンクの男によく似ておる...
セリス:モンクの男...
女性:あら?あなた...ごめんなさい
このまえ、ここに立ちよったモンクそうが、さがしていた人に似てたものだから...
その人なら、北のツェンの町に向かうと言って、町を出ていったわ。
セリス:きっとマッシュ...行かなきゃ。でも...今日は寝る!!
(宿屋)
セリス:ZZZ...
店主:おーい時間だよ。
セリス:あと5時間...
店主:5時間!?5分じゃなくて!?2泊分金もらうよ!
セリス:ハッ!あれ?寝る前より5分戻ってる...1日寝たの!?やっちゃった...
...............明日出発しよっ。ZZZ
(1人アルブルグを出てツェンの町を目指すセリス)
セリス:世界は荒れ果ててる...あたりはモンスターだらけ。だけど
(剣を振るセリス)
(倒れるモンスター)
セリス:私いま凄く体調がいい!!ここ数年感じたことない絶好調!
やっぱり休むのって大切なのね。
モンスター:シャアーッ!!
セリス:フン!
モンスター:グゲッ!!
セリス:モンスターが全然怖くない!!
モンスター:キシャアアー!!
セリス:ブリザラ!
モンスター:グガッ!!
セリス:もうノールックで倒せる!!
あっノールックでレベル上がったみたい!ノールックで新しい魔法覚えた!ツェンにもすぐ着きそう!
(ツェンの町)
セリス:着いた。まずはご飯を...
(ガシャーン!!ガシャーン!!ゴオオオオオ!!)
(慌てる人々)
セリス:!?
町人:早くしないと家がくずれおちるぞ!
女性:私の子供が中にいるの! お願いです。助けてください!
セリス:安心してください私いま凄く体調がいいので!
(家にマッシュがぶらさがっている)
セリス:マッシュ!
マッシュ:おっ……
セリス!
セリス:いま助ける!
マッシュ:まてっ!!
俺が動けば…家が崩れおちる。
セリス:なにそれどういう状況!?
マッシュ:だから俺がぶらさがってることでバランスを保ってるんだよ!
セリス:だからそれってどういう状況!?
マッシュ:ええいうるせえ!とにかくまず…中にいる子供を助け出してくれ…
あまりもちそうにない…早めにたのむぜ……くっ…
(中に入るセリス)
セリス:どうして家の中にモンスターが!?ブリザラ!
(倒れるモンスター)
セリス:弱くてよかったけど、急がなきゃ!ただお宝が!!ダメ体が勝手に動く!私いつからこんなにお宝好きに...?
しかもこれってやってること泥棒?いやどうせ崩れるんだからいいよね!取る!!さあ子供は?
子供:こわいよう!
セリス:だいじょうぶ。さあ!
(子供を抱えるセリス)
あっちにも宝が!!ああ気がついたら宝の前に居る!
取る!!あっちにも宝!!
子供:はやく出ようよ!
セリス:待って宝があるの!
モンスター:シャアア!!
セリス:ファイラ!
モンスター:グゲッ!
セリス:ほらノールックで倒せるから大丈夫!取る!!
子供:あ、ママがへそくりで買ったやつ!
セリス:もらうわね!よし出るよ!
マッシュ:まったぜ!
(マッシュが手を放し家から離れると家は崩れていく)
セリス:マッシュ! 生きていたのね!!
マッシュ:ガハハハハハッ!あたりまえよ! たとえ、裂けた大地に、はさまれようとも、おれの力でこじあける!
セリス:もうみんな死んでしまったかと思っていた…希望はたたれてしまったと思っていた……
けど…あれ、どうしたんだろう私...
マッシュ:...え泣いてる!?セリスが!?泣いてる!?
(あたりを見るマッシュ)
マッシュ:.....おい違う俺が泣かしたんじゃねぇからな!
女性:女の子泣かせるなんてサイテー。
マッシュ:違うって!それは兄貴!兄貴も違うか!
セリス:あきらめちゃいけないわね。生きているかもしれない! みんなを探して… そして…
マッシュ:ああ。
ケフカを倒し、平和な世界を取り戻す!!
(うなずきあう2人)
(その夜の宿屋)
セリス:この1年どうやって過ごしてたの?
マッシュ:あ?みんなを探しながらトレーニングだよ。
トレーニングして、食って、寝る。の繰り返し。あんまり普段と変わんねぇな。
セリス:確かに...
マッシュ:どうだ?俺デカくなっただろ?
セリス:ちょっと分からないけど。
マッシュ:くそーまだ足りないか。ところでセリスは?なにやってたんだ?
セリス:私は...
(号泣するマッシュ)
マッシュ:そんなことがあったのかー!!!辛かったなー!!!ほら俺の胸で泣いていいぜー!!
セリス:あっいま大丈夫。
マッシュ:そうかそうかー!絶対みんな見付けような!!ロックもきっと生きてるぜ!
セリス:ええ。そうね。
マッシュ:じゃあ明日にそなえて寝るか!
セリス:あの、大丈夫?そっちのベッド、涙で水たまりが出来てるけど。
マッシュ:いいのいいの!こんなの気にしてたらやってらんないぜZZZZZ
セリス:もう寝てる!?
つづく