ロック:お、少しセッツァーの様子でも見ていくか。
(ブラックジャック号エンジンルーム)
シド:立派な船じゃのう。
セッツァー:不時着のショックでエンジンがやられちまった。
直すのに少し時間がかかるな…
シド:わしが手伝おう。メカの事ならくわしいぞ。
セッツァー:えんりょしとくよ。
シド:ギャンブル場をつぶして改造すれば、もっと速くなるぞ。
セッツァー:……ろんがいだ!! いいから出てってくれ!
シド:本当に速くなるのにのー……
ティナ:本当に好きなのね。この船が。
セッツァー:きままなギャンブラーぐらしをしてる俺にも、若いころは必死で打ち込める事があった…
ティナ:……え?
セッツァー:こいつを世界一速い船にして大空をかける…そんな夢を追いかけていた。
ティナ:今は違うの?
セッツァー:そのころは俺を夢にかり立てるヤツがいた。
世界最速の船、ファルコン号をあやつる飛空挺乗りだ。
俺とヤツは… 時にはよきライバル、時には夢を語り合う親友だった。
どちらが先に空を突き破り、満天の星空の中を航海できるかと……だがヤツがファルコンと共に姿を消した時、俺の青春も終わった。
……ダリル………
ロック:ん?なんの話?ちょっとシドと話してて聞いてなかった。最初から話してくんない?
セッツァー:断る。俺はティナに口をすべらせただけだ。
ロック:うわーこの流れで話さないヤツ初めて見た。
セッツァー:お前らが異常なんだ!
ティナ:...きままなギャンブラーぐらしをしてる俺にも
セッツァー:お前から話そうとするな!
ところでシドと話してたっていうのは?
ロック:あーシドに頼まれてギャンブル場をつぶす手伝いをしてた。
セッツァー:ふざけるな!!もういいから出てってくれ!
ロック:本当に速くなるのにのー...
セッツァー:お前には関係ないだろ!飛空挺の修理はまだだ。とりあえずアルブルグから船ですすんでくれ。
(アルブルクの町)
レオ:待っていたぞ。私と同行するのは帝国の将軍一人と街でやとった男一人だ。
しょうかいしよう。セリス将軍とシャドウだ。
(驚くロック)
レオ:どうかしたのか?
ロック:いえ……
レオ:さて、出港は明日だ。君達のために宿をとっておいた。今日はゆっくり休んでくれ。
ティナ:セリス……
セリス:……
ロック:セリ...
(立ち去るセリス)
ロック:セリス……あっやめてわんこ今エサ持ってないの。
(ガブッ!)
ロック:イテッ!エサないからって噛むなよ!
ティナ:よろしくねインターセプター。シャドウ。
シャドウ:今は帝国にやとわれた身だ。…と言っても心配はするな。お前らを殺るためにやとわれたわけでは無いからな。
ロック:俺ヤラれてんだけど。
(その夜)
ティナ:マッシュおすわり!はいハチミツ!ムニャムニャ...
ロック:.....(宿屋を出るロック)
(海を見ているセリス)
ロック:セリス…
どうして…どうして何も話してくれない?
少しでも…うたがってしまって…だが、まだ仲間として…
(立ち去るセリス)
ロック:セリス!
(一瞬立ち止まるが立ち去るセリス)
ロック.....
(ガブッ!)
ロック:イテッ!!なんなんだよお前!シャドウのとこいろよ!
シャドウ:俺もここに居る。
ロック:うわビックリした!!夜のお前マジで見えないな...なあこいつなんとかしてくれよ。
シャドウ:断る。
ロック:おい!みんなで俺を無視するなー!
(ガブッ!)
ロック:お前は無視して!!
(次の日)
ティナ:どうしたのロックその目のクマ?
ロック:ティナが夢でクマと遊んでる間にいろいろあってさ...まあ大丈夫だ。行こう。
レオ:さあ、行くぞ。
(船)
兵士:機関、動力とも異常ありません。
レオ:明日の朝には着くだろう。それまで休んでいるといい。
(その夜)
レオ:ねつけないのか?
感情がもどってきたそうだな…
ティナ:……不思議なものね。
帝国に利用され、思考までをもコントロールされていた私が、こうしてまた帝国の人間とともに行動しているなんて。
レオ:帝国の人間とて、同じ人間。全てがケフカのようなヤツばかりではない。
ティナ:あなたは………どうなの?
レオ:お前が幻獣とのハーフであり魔導の実験台として苦しめられているのを知りながら…それを止められなかった俺も、ケフカと同罪さ…
ティナ:幻獣と人間が愛し合えるのなら…その子である私と人間とは…愛し合えるのかしら?
レオ:もちろんだとも。
ティナ:でも…私はまだ愛という感情を知らない。
レオ:お前はまだ若い。……いずれわかるようになる。きっと……(部屋へ戻っていく)
ティナ:でも……私は、今知りたい……
......誰……?
シャドウ:星を見ながら寝ようと思ってな。
ティナ:今の話……聞いていたの?
シャドウ:聞くつもりはなかった。
ティナ:あの……
シャドウ:俺は、何も教えてやれん。答えは自分で見つけるものだ。
ティナ:.....
シャドウ:ティナ。
ティナ:キャッビックリした!!あなたに名前呼ばれると思ってなかったから...
シャドウ:世の中には、自ら感情をすてて生きようとする人間もいるのだ。それを、忘れるな。
(ティナ、部屋へ戻っていく)
(ロックが出て来る)
ロック:う う う…
ぐ ぐるぢひ~
げろげろ~
(部屋へ戻っていくシャドウ)
ロック:なんてこったい…世界一のトレジャーハンターともあろうものが…
げろげろ~
(ガブッ!)
ロック:ギャアアアアアアーーー!!!
(次の日)
レオ:もうすぐ大三角島だ。上陸したら二手に別れよう。
私とセリスが組むから、君はロックとシャドウと組んでくれ。
幻獣の手がかりを見つける事ができたなら、すぐ報告をするように。
ティナ、昨日の話のつづきはまた再会の時に…
ロック:俺達もいくか。
シャドウ !
セリス:あ、ロック…あの、わたし……
ロック:いくぞ。
(項垂れるセリス)
ティナ:ロック!どうしてセリスと話さないの?
ロック:.....だってめちゃくちゃ緊張したんだもん!!
話し掛けてくれると思わなかったからビクッとして心臓バクバクバクバクバクバクバクバクして気がついたらいくぞ。って言ってたー!
ティナ:そう。なら仕方ないけど...気をつけてね。今度やったら...
ロック:やったら?
ティナ:ぶっ放すよ?
ロック:はい気をつけます!!!
ティナ:ね!インターセプター。
(バウ!)
つづく...