『るりまつりの夜』

 

 

紺地に涼しげな瑠璃茉莉 紅い帯

上気させた頬に手を当てる彼女

 

勇気を出して 誘って良かった

 

遅刻だと詫びる彼女に 滑稽なほど大袈裟に手を振る俺

 

遅れると急ぎ足 焦るなと勇み足

 

見て 花火

 

足を止めて 笑顔が 嬉しい ご褒美

 

make up my mind

 

るりまつり るりまつり

その涼やかさを俺にくれ

るりまつり るりまつり

祭りの夜を俺にくれ

 

夜空に大輪の炎天華 破裂音

歓声上げた口元を隠す彼女

 

横目でチラリ 絆され骨抜き

 

急に暑さが押し寄せて 機械のようにハンカチを動かす俺

 

言いかけて口ごもり 見つめられどもる声

 

見て 花火

 

見上げた顔 照らされ 綺麗だ ため息

 

make up my mind

 

るりまつり るりまつり

その涼やかさを俺にくれ

るりまつり るりまつり

祭りの夜を俺にくれ

 

紺地に涼しげな瑠璃茉莉 紅い帯

捕まれた腕に問いたげな彼女

 

迷いを飛ばし 振り切り決めた

 

急に恐怖が駆け巡り 言葉が夜空に浮つく情けな俺

 

流れていく人混み 止まる二人の時間

 

君が 好きだ

 

困惑顔 伏せられ 理解した 了解

 

make up my mind

 

るりまつり るりまつり

その涼やかさを俺にくれ

るりまつり るりまつり

祭りの夜を俺にくれ

 

泣くな!