家康の読書メモ、アップするの忘れていた。今(9月14日)はもっと読み進んでいて、22巻終わるとこ。
『四条の水』
光悦、四条河原で高山右近と明石掃部の密会に遭遇、傍で内容を聞いちゃう。家に戻ると於こうがいたので光悦は、大久保長安が松平忠輝、伊達政宗、ソテロらとつるんで大坂方に付いたらどうなるか聴かせる。
『恐怖の記憶』
於こう、関ケ原の役の記憶がよみがえる。幼馴染の一家が関西方の兵に凌辱されたうえ、虐殺され屋敷ごと焼かれた件。戦を防ぐためなら何でも協力すると光悦に誓う於こう。
堺で飲んだくれる長安、おんな遊びに夢中。女の中に於こうが紛れ込んでいることにも気付かない。
『生きる証』
於こう、長安に注意を促す。長安、また妄想を展開、話半分。自分の置かれている状況にやっと気付いてもまだ夢の世界から覚めない。
『巨樹の思案』
不穏な空気の漂いに気付けない家康、と描写がある。合戦に繋がる性質のものではなかったのでわからなかったらしい。
家康、林道春という若い儒学者に就いて勉強中。「礼」について関心を持つ。やってきた光悦相手に学んだことを問答。切支丹についての話を進めていく中で唐突に家康が、
「光悦、そなた、大久保長安をあまり好いてはいないようだの」
と切り出し、
「どうだな、光悦は、伊達政宗を好きかな」
と続けるところ、抜け目のなさというか、頭のキレが表現されていて、うまいと思った。光悦の言いたいところの裏の裏まで、ちゃんと話は通じている、ということだろう。
『蜘蛛の才覚』
大坂パート。大坂城にも駿府城の譜役請求が来て、「これでよいのだ」と、ほっとする片桐且元。大坂城内では賛成だの反対だの意見が飛び交う。城内の暇を持て余した女たちの意見がひとつの勢力となりつつある気配。これは豊家みたいな立場にとっちゃマズイんじゃないか? 且元、淀君に駿府城譜役のことで問うてみると、この日は淀君、マトモだった。且元、感銘を受けクロージング……と思ったら、秀頼が、当時死亡率の高い流行り病・疱瘡に罹ったらしいとの報告。ショック! 大坂城はいつもおかしなことが起きて面白い。
『未通の妻』
秀頼の罹った病は疱瘡ではなかった。それをいち早く且元から知らされた有楽、まだ疱瘡だと思い込んでいる千姫や淀君をはじめ、周囲を巻き込んで悪ふざけみたいな小芝居を始める。コミックテイスト。
『無憂地獄』
成長してきた千姫の人物と秀頼の現在の様子、大坂方とイゲレスとの関わり。
『紅毛草』
按針と長安の話し合いの様子。血判状に署名してしまう按針。長安はこれ、ダメなヤツだな。関わっちゃダメなタイプの人間だ。バカっつーか浅はかで配慮が足りない。
『南蛮ほたる』
按針の屋敷から出た足で、ソテロに会う長安。いかがわしい男2人の腹の探り合い、ソテロ側の思惑も描かれる。
『家康外交』
ロドリゴの報告書からの抜粋があり、おもしろい。海外へ開けていこうとする日本。
『鈴の鳴る森』
鈴ヶ森で安藤直次に接触してきた女が。彼女は於こうの使いで、要件は大久保長安の不正の密告だった。嘘の報告をして莫大な量の金を貯め込んでいるらしい。家康の六男・忠輝と伊達政宗も関係していると聞いた直次、老いた家康の身を案じて口外しないことに。いやいや、これこれこういうことがありました、って家康にすぐ報告しないとヤバいだろ。アホか。
『緑の小箱』
家康、長安の不正の話を耳にして漏らしたらしい。さっそく伊達政宗、長安に対して「お前との関係を断つ」宣言。さすが政宗、抜け目ない。
『女の秋』
長安、於こうに連判状をしまう対の緑の小箱を作らせる計画。長安、本阿弥光悦を家康付きの特殊工作員みたいなスパイと視ているようで、そう言われれば確かにそうでもあると思った。
『三百年の窓』
イゲレス・オランダ対ポルトガル・イスパニヤの構図。家康はイゲレス側の按針から情報を得ていて、分け隔てなくどちらともうまくやっていきたいと思っている。ポルトガル・イスパニヤは日本での交易独占を目論んでいる様子。伊達政宗、ポルトガル・イスパニヤ勢が頼ろうとしているのは大坂方と自分と聞いて、マズイと焦る。これもスッパリ切って、家康側に付く決意。
『人生仕上げ』
安藤直次と成瀬正成に付家老になってくれ、と頼む話。こんなふうにめんどくさいやりとりがあったのかと疑問に思う。実際は命令してそれだけだったんじゃないのか。どうなんだろう。家康、大坂の秀頼に会っておこうと考える。
『濃い血薄い血』
阿江与の方から常高院を通じて淀君に、家康が秀頼に会いたがっているという話を持っていく。浅野3姉妹の現在の様子。
『冬枯れの艶』
淀君と常高院の再会の様子。淀君のかつてのライバル? 松の丸も加わって、同窓会みたいな。そんな中で家康の希望が伝えられたもんだから、淀君も喜んで受けた。且元、有楽も板倉勝重と飲みながら、良かった良かった、的な感涙ムード。そこへ「大久保長安、卒中で倒れる」の記述。次巻への引きも忘れない。