万事塞翁が馬(ばんじさいおうがうま) | ⋆


国境の近くにあった塞(とりで)の近くに住んでいた翁(老人)は、
何よりも自分の馬をかわいがっていた。

その馬は、周りからも評判が立つほどの駿馬だったが、

ある日突然、蜂に刺された拍子に飛び出してしまう。


一向に帰ってこない馬の様子に、周りからは翁に同情するほどだったが、

翁は「これがきっかけで何かいいことが起こるかも知れない」

とだけ言って、我慢強く待ち続けた。


すると、どうだろうか。
しばらくして、その馬が別の白い馬を連れ帰ってきたのだ。

しかも、その白馬も負けず劣らずの優駿で、

周りの者は口々に何と幸運なことかと囃し立てたが、


翁は「これがきっかけで、別の悪いことが起こるかもしれない」

と自分を戒め、決して喜ばなかった。


それから、かわいがっていた息子がその白馬から落ちて、片足を挫いてしまった。


周りはまた同じように慰めの言葉を掛けたが、
翁はまた同様に「いいことの前兆かも知れない」と告げる。

それからしばらくして、隣国との戦争が勃発した。

若い男は皆、戦争に借り出されて戦死した。

しかし息子は怪我していたため、徴兵されず命拾いした。

そして、戦争も終わり、翁は息子たちと一緒に末永く幸せに暮らしたという 。


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起きた出来事は、すべていいコトでいいタイミングだと信じています( ̄▽+ ̄*)