タイトルが堅いですが決して小難しい話ではありません。ひと世代前と現在では消費者の立場が随分と変わりました。行き過ぎるとさえ感じます。

子供のころ(1970~80年代)歌謡曲やアニメ曲のカセットテープがダイエーに1000円以下で売っていて、「こんなにいっぱい(曲が)入ってる」と喜んで買ったら、歌声が全然違って「誰やねん!」とガッカリしたことがあります。その歌声がマヌケに聞こえて腹立ったものです。そのほかにも伴奏のみで歌なしのものを買ったこともあります。パッケージに「カラオケ」の文字はどこにもありませんでした。
例えば、カセットに「ピンクレディベスト」と書いてあって、ちゃんとピンクレディ本人の写真が大きく載ってて、パッと見た限り、偽者が歌ってるものや伴奏だけものとは判別できない(少なくとも子供は勘違いする)もので、カセットをかけるまで気付くことができないし、一度パッケージフィルムをあけたものはおそらく返品不可だったと思います。
あと、当時の雑誌(マンガなど)の通販のページに「NASAが開発」と謳ったものがありましたが、哀しいかな、小学生の私は信じていました。中学時代は「身長が伸びる」という商品は本当に伸びると信じて「欲しい」と思っていました。
カセットといい、雑誌の胡散臭い通販といい、今なら表記などが問題になるでしょう。昔は消費者の立場が弱かった。何か「騙された奴が悪い」みたいなところがありました。

テレビ番組も今はコンプライアンスで規制だらけですが、それ以上に過剰なクレームも目につきます。「子供に悪影響だ」と。それならテレビを見せなければいいのにと思うほどです。中学時代、まだ「回すチャンネル」のテレビが残っていましたが、同級生で自分の部屋のテレビを親にNHKしか見れないようにされている奴がいたし、18歳の時、S予備校の京大卒の古文の先生は、自宅に高価でマニアックなオーディオはいくつもあるがテレビは子供への影響も考慮して置かないと言っていました。
垂れ流しのテレビを見るかどうかはこちら側の問題で、行き過ぎたクレームのせいでどんどんつまらなくなっているように感じます。面白いと感じるか、つまらないと感じるかは主観ですが…。
食べ物を使ったネタをするときは必ず「この後スタッフがおいしくいただきました」とテロップがでます。もちろんクレームがくるからですが、こんな「プロレス」必要なのかと思います。毎回毎回おいしくいただいている訳がないのに・・・。
正義を振りかざしている人間には注意するというのがモットーの私にとって、そういった類のクレーマーには嫌悪感しかありません。
民放地上波は無料ですが、スポンサーがいるため消費者意識が反映されています。

ネットの普及と共にクレーマーが増えてきたように感じます。昔はもっと提供者が強気だった。製造、制作、販売、教育等のサービス提供者にとって随分とやりにくい時代になったものです。