向精神薬のうち、抗うつ薬とベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬で「シャンビリ」と呼ばれる独特の離脱症状が出ると言われています。
脳内で鈴が鳴っているような、シャンシャンと音が鳴るような耳鳴りと、体が感覚過敏のようにビリビリする状態を指します。

個人的には、抗うつ薬(SSRI)のルボックス(=デプロメール)、ジェイゾロフト、SNRI のサインバルタでシャンビリを経験しています。
※SSRI=選択的セロトニン再取り込み阻害薬SNRI=セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の離脱症状では、シャンビリの経験はなく、キーンとする高音の耳鳴りがします。抗うつ薬のSSRIとSNRIは、いずれもこのシャンビリという離脱症状が出ます。

【日本におけるSSRI とSNRI の発売年】
ルボックス、デプロメール―1999年、パキシル―2000年、トレドミン―2000年、
ジェイゾロフト―2006年、サインバルタ―2010年、レクサプロ―2011年
(ルボックス、デプロメール、パキシル、トレドミンは後発品あり)

「シャンビリ」といえば「パキシル」の代名詞のようになっていますが、パキシル以外のSSRIとSNRIも、一定期間、服用し、いきなり服用をやめると、シャンビリ症状は出るようです。

サインバルタを飲んでいた頃、精神科医にシャンビリが出たことを話すと、「サインバルタでは出にくい」と言われましたが、個人的には、ルボックス(=デプロメール)、ジェイゾロフトよりもサインバルタのシャンビリは強く、1日飲まないだけでシャンビリが出ました。
医師がサインバルタのシャンビリについて懐疑的なのは、パキシルやルボックスより発売してからの期間が短く、患者からの訴えがまだ少ないからではないかと考えます。

「サインバルタは比較的、新しい薬で副作用が少ない」などと、明らかなウソをつく精神科医が少なくないようですが、製薬会社の添付文書による公式発表によると、サインバルタは、副作用発現率が向精神薬の中でトップです(90.2%)
ちなみに、サインバルタは問題となっている「うつの痛み」というデタラメキャンペーンで、日本イーライリリーと塩野義製薬が売り込んでいる薬です。
うつ病の症状に「痛み」はなく、単なるマーケティングです。

新型うつ病、PTSD、大人の発達障害などが話題になった時は、いずれも、対象者が飲む薬の適用が承認された時です。薬のマーケティングのために病気を喧伝しているのです。

主な向精神薬の副作用発現率
主な向精神薬の副作用発現率


アメリカではサインバルタ(外国名:シンバルタ)服用による自殺で、複数の訴訟がありました。
SSRI、SNRI に自殺のリスク(賦活症候群=アクチベーションシンドローム)があることを知らない人がまだ多くいるようです。

「1998年以降抗うつ薬の売り上げ増加と自殺者激増が一致」
http://www.news-postseven.com/archives/20110928_31335.html

「若者の自殺増加と抗うつ剤の売り上げ増加の相関関係を発見」
『SAPIO 2012年8月8日号』
http://www.news-postseven.com/archives/20120806_132299.html



「精神科医療の現実を知る」
元精神科医で作家の野田正彰氏の講演