精神科、心療内科、神経科、一般の内科などで処方される向精神薬は
現在、大きく分けて、

①抗精神病薬(メジャートランキライザー)
②抗うつ薬(三環系、四環系、SSRI、SNRI、NaSSA)
③ベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬(マイナートランキライザー)
④気分調整薬(ムードスタビライザー)
⑤抗パーキンソン病薬
(メジャートランキライザーの副作用を抑えるために処方される)


があります。

向精神薬の起源は、下の動画でも詳しく説明していますが、
1950年代初めにフランスの精神科医ジャン・ドレーが、
もともと合成染料として開発され、寄生虫駆除薬として使われた薬品、
「ソラジン」を発見たのが始まりです。
「抗精神病薬」として売り出されたソラジンは、脳の機能を妨げるものであり、
精神科医たちはその作用を「化学的ロボトミー」と呼びました。


ソラジンの発売と同時期に、精神科医のビジネスをその後、一変させることとなった、
新たな進展がありました。
薬品をどのように投与するかは医師の処方箋によって決定されるという新しい法律です。
1951年まで、米国医師会(AMA)は製薬業界に対する監視機能を果たしていましたが、
製薬会社から影響を受けたAMAは、公正であるべきその立場を捨てて、
利益を追求する薬物ビジネスに加担したのです。

その結果、ソラジンが発売されてから8か月のうちに、
米国では精神科医によっておよそ200万人の患者にソラジンが投与されました。
その4分の3が施設に収容されていない患者でした。
精神科医と製薬業界は一生、薬を消費し続けてくれる顧客を作り出すために、
世間に彼らの「医薬品」を押し付けようと躍起になっていました。
こうした薬物の使用は精神医学の領域を超えて一般の医療にまで浸透し続け、
ごく日常的な身体の不調に対しても投与されるようになっていきました。


1960年代半ばまでに、アメリカでは向精神薬を摂取したことがある成人の割合は
48%にまで上昇し、精神医学と製薬業界は何十億ドルもの金を得たのです。

1967年、プエルトリコに精神科医と医師が集まり
「2000年には、向精神薬を正常な人間にも使えるようにする」
という計画を推し進めました。

この会議の報告書はこう述べられています。
「この分野で働く我々は、人間の感情や心の機能、意思をほぼ完全に
コントロールできる可能性が発展しているのを目の当たりにしている。
こうした人間的な現象は、様々な化学物質を使用することで引き起こしたり、
止めたり、排除することが可能である。」

この会議では、以下のような影響を人に与え得る化学物質が提案されました。
楽しい経験や深いな景観を思い出したり忘れたりする。処罰の代わりになる。
記憶を長期間維持させたり短期間で消したりする。
子供の時代を長続きさせたり思春期を短くしたりする。
性的な反応を調整する。学習を促したり妨げたりする。
結婚当初に経験したような新鮮な驚きを自分のパートナーに感じさせることで
結婚生活を改善させる…などです。
さらに参加者達は、非常に毒性の高い精神病薬リチウムを公共の水道に加え、
供給できるかどうか議論しました。


その後、中毒性のある精神薬の使用範囲は驚くほど広がり、
さらに多くの一般大衆に処方されるようになっていきました。
そしてさらに巨額のカネを得るために、精神医学と製薬業界は、
広告や新聞・雑誌記事・トークショーなどで社会に影響を与え、
精神薬の効能を言葉巧みに売り込みました。
彼らは精神薬の売り込み先として、「全く正常な人々」をも標的にし始めたのです。


参考サイト:内海聡氏の facebook
https://www.facebook.com/satoru.utsumi/posts/543035525780205


【向精神薬の起源】