インフルエンザ治療薬「タミフル」が効かない耐性ウイルスについて、厚生労働省は今冬、
緊急の研究班を設置し、耐性ウイルスに感染した患者の全国的な実態調査に乗り出すことを決めた。
国立感染症研究所によると、国内の耐性ウイルスの出現率は昨冬で2.8%と低いが、
米国では昨冬が11%、昨年秋に実施した50試料を対象にした予備調査では98%に跳ね上がった。
欧州でも、ノルウェーでは67%に達している。
タミフルの使用頻度が低い国でも耐性を獲得していることから、
耐性ウイルスは自然発生して流行しているとみられている。
新型インフルエンザへの変異が心配される高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に
感染した東南アジアなどの外国の患者で、タミフルを早期に服用しなかった人はすべて死亡している。
このため国などは、新型インフルエンザ対策として、流通分も含め2800万人分のタミフルを備蓄している。
しかし、耐性ウイルスが国内でも広まった場合、
そこに人が免疫を持っていない新型インフルエンザが来襲すると、
同時に感染するうちに新型インフルエンザが耐性を獲得、
備蓄されているタミフルが効かないまま感染が拡大しかねない。
調査は、国立国際医療センターなどが中心となり、
「Aソ連型インフルエンザウイルス」の3割以上に耐性が見つかった鳥取県を含め、
北海道から九州まで全国6~7か所で、流行状況を調べる。
タミフル使用との因果関係や、家族内や学校内での集団感染などの患者情報も収集する。
タミフル以外の薬の使用状況も調べ、研究班では新たな治療指針を作成する方針だ。
国立感染症研究所によると、今冬も、宮城県や滋賀県の小学校児童から
耐性ウイルスが見つかっている。
厚労省は
「耐性ウイルスがさらに広まったときに備え、治療薬の適切な使い方を検討したい」としている。
『読売新聞』2009年1月13日付
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「耐性」とは、これまでの薬の効果に耐えられるようにウイルスが進化したということです。
タミフルがいつまでも効くわけではありません。
ウイルスや細菌は進化します。
ここ数年、言われていることですが、もうそろそろ新型インフルエンザが身近に出現しても
おかしくありません。
インフルエンザの予防接種については意見が分かれるところですが、
ごくたまに、「インフルエンザ脳炎」になってしまう子どもがいます。
それに、予防接種はシーズン前に春先に、どの型が流行するか予測してつくるので、
絶対に効くとは限りません。
ちなみに、僕は予防接種はしない派です。