本当は別の病気なのに統合失調症と誤診された体験談が、95件にのぼった。
良好な対人関係を築きにくいアスペルガー症候群などの発達障害や、強迫観念が強まる強迫性障害を、統合失調症と誤診される例が、なかでも目立った。

 

軽度の発達障害で中学校になじめず、不登校に陥り暴力的になった息子を統合失調症と誤診された親は、「記事を読んで、息子のことを書かれたのかと錯覚した。息子がたまたまひどい精神科医にあたったのだと思っていたが、こんなに多い問題だったとは」と驚く。
「息子は大量の薬でふらふらになり、学校どころではなくなった。それでも医師は、薬を飲み続けないと大変なことになると言い続けた」という。
「4種類の抗精神病薬を含む、異常な量の薬を飲まされた」「医師に薬を減らしてくれるよう訴えても相手にされず、従わないなら他に行けと言われた」など、薬の処方について疑問を投げかける声は強い。

 

セカンドオピニオン(別の医師の意見)を取ることの効用も多く聞かれた。
北海道の40歳代の男性は、薬を飲み始めてから幻覚や妄想がひどくなったために別の精神科医にかかったところ、症状は薬の副作用の可能性があることを指摘された。
この男性は医師の指示に従って徐々に薬を飲むのをやめたところ、幻覚などの症状は治まり、仕事にも戻ることができた。

 

ある患者の家族からは、「精神科の患者や家族の声に耳を傾けない社会的風潮があるのも、問題の背景にあるのではないか」との、意見も寄せられた。

 

精神科医療のあり方は、社会全体で考えていく必要がある。

 

『読売新聞』 2008年12月26日付

 

<引用は以上>

 

この手の話は時々見聞きします。

もちろんすべての精神科医がそうだとは言いませんが、一般的な内科と違って血液検査や画像診断等の客観的な診断ができない精神科は、医師の主観で診断名が決まります。

その主観が長年の経験で正しくできればいいのですが、残念ながらそうでない精神科医が少なくないようです。

1999年あたりに製薬会社によってテレビCMなどで大々的に喧伝された「うつは心の風邪キャンペーン」でうつの患者数は急激に増えました。そして、薬の売り上げも飛躍的に伸びました。私には薬を売るのが目的としか思えません。

その結果、薬が原因の「医原病」が精神疾患だと誤診され、ますます悪化する人がいるという話をよく聞きます。

そもそも精神医療のなりたちが、周囲の人間が患者をコントロールしやすくできるように発展したものだからです。

その部分の思想がなくならない限り、こういう医師のいい加減な診断が目立つ状況が続くと考えます。