2006年4月に施行された障害者自立支援法で、障がい者の福祉サービス利用料が、

原則1割の自己負担となったのは、憲法の保障する生存権などの侵害だとして、

全国の障がい者29人が31日、国や居住する自治体を相手取り、自己負担の取り消しや

負担額の賠償などを求めて、東京、大阪、福岡など8地裁に一斉提訴した。
訴えを起こしたのは、1071歳の身体・知的障がい者。
訴状によると、ヘルパーや就労・生活支援施設の利用料などは同法施行前、
障がい者の所得に応じて負担を決める応能負担で決められ、低所得者の負担額はほぼゼロだった。
しかし、法施行後は、障がい者が原則1割を自己負担する応益負担に変わり、
障害基礎年金など月に10万円前後の収入しかないのに、平均約7000円の負担を強いられた。

 

 『読売新聞』200811月1日付

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障がい者福祉を学んでいる方、教えている方、そして当事者やそのご家族にとっては、

当たり前に知っている障害者自立支援法ですが、福祉関係の法律の中で、

成立当初から、これほど猛反発を受けた法律は極めて珍しい。

所得に応じた税率で税金を納めるのは、応能負担です。

生活を維持できない所得、あるいは所得がない人の救貧のためにあるのが生活保護法です。

生活保護法憲法第25条の生存権にのっとって1950年に成立(正確には改正)しました。

障がい者だけが所得に応じたものでなく、福祉サービスに1割を負担するのは、

本来の福祉の意味から外れていると思います。

障害者福祉に自分は関係ないと思っている人もいるでしょうが、

いつ中途障害で自分も障害者になるか分からない。決して他人事ではないのです。

こういったことについて、そろそろ国民みんなで考えていかなくてはならないのではないでしょうか?