【行動障害の防衛的性格】
発達障害者がみせる行動障害は、本人のもつ行動傾向に対しての
周囲の拒否的対応への反応が多いといえます。
行動障害のなかには、睡眠障害など生物学的側面が強いものもありますが、
自傷・他傷・もの壊し・騒がしさ・粗暴さ・パニックなど、
いわゆる攻撃的行動といえる行動では、
自分の持つ傾向への拒否的な対応への防衛反応・ストレス発散反応として
捉えられるものが少なくありません。
【交互作用という視点から見る】
行動障害には、まず本人の持つ素質としての一定の行動傾向があり、
次にそれに対しての周囲-環境の働きかけがあるわけです。
そのことが本人の行動形態を変え、周囲の見方が適切なら本人の行動は改善し、
それは周囲の見方をさらに変える結果を生みます。
不適切ならば、本人はストレスを高め、
周囲に不快感を持ち行動する結果を生みます。
そのことが周囲の見方と対応を変えていきます。
行動障害は一つの状態像であり、対応によって大きな差が生じます。
援助の出発点には、「強度行動障害が関わり方によって変化する」
という視点があります。
つまり、対応次第で、強度行動障害は改善するということです。