浜松市のペット店が廃業し、市保健所で処分される寸前の犬24匹が4月末、犬や猫の飼い主探しをする市内のボランティア団体に保護された。

 

病気の犬の飼い主探しが難航し、24日には3匹の行き先が決まったものの、残る4匹が引き取り手を待っている。

同団体は「治療して最後の1匹まで飼い主を見つけたい」とし、治療費などに充てる寄付金を募っている。

この団体は、約5年前から活動している「アニマルフォスターペアレンツ」(浜松市北区)。

杉浦茂子代表(60)によると、約3年前に廃業した店が飼い主を探したが、今春に断念し、市保健所に処分を申し出たという。

杉浦さんらのこれまでの保護の実績から、今回も保健所から連絡が入った。

「今までになくひどい状態」だったという。

店で子犬を何度も産まされたアイリッシュセッターの「キャンデー」は乳癌にかかり、腫瘍がはっきり分かった。店の前に置き去りにされていた犬も多く、皮膚病などで苦しんでいた。

24匹のうち、小型犬を中心に健康状態の良い犬は次々に引き取り手が見つかったが、キャンデーなど病気を抱える7匹の飼い主はなかなか決まらなかった。

腫瘍の除去手術が成功したキャンデーを獣医師が引き取るなど、24日になって3匹のもらい手が見つかった。

杉浦さんは「キャンデーは一番状態がひどかったので、本当に良かった。残る4匹も治療すれば良くなると思う」と話す。

 

ただ、同団体の主要メンバーは5人。活動資金の大半は寄付金に頼り、その中から餌代や治療費を工面しなくてはならない。

保健所に持ち込まれる犬や猫は後を絶たず、杉浦さんらが新しい飼い主を見つけると、すぐに別のペットを保護する状態が続き、常時15~20匹を世話している。

杉浦さんは「ペットの生死が人間の一存で決まってしまう。ペットは敏感に感じ取っているはずなので、信頼できる飼い主に巡り合わせてあげたい」と語る。

 

問い合わせは、杉浦さん(090・8545・9537)へ。 2008525 読売新聞)