なんだか最近はバタバタしてしまい、まとまった感想が書けなくて...。映画はちょこちょこ観てたので、今回はその中から4本ほど備忘録的に感想を書き残しておきますね。

※地味にネタバレしてます。

1本目
リーサル・ウェポン3(午後のロードショー/テレビ朝日吹替版)
1992/アメリカ
監督 リチャード・ドナー

リーサル・ウェポン シリーズは結構好きで年に一回くらいは観返すんですが、先日午後のロードショーで久しぶりにテレビ朝日吹替版を鑑賞できてうれしかったです。主人公のリッグス(メル・ギブソン)役に磯部勉さん、相棒マータフ(ダニー・グローヴァー)には池田勝さん、前作に引き続き2人のヘルパーとして活躍するレオ(ジョー・ペシ)樋浦勉さん、そして今回リッグスのロマンスキャラクターとなるローナ(レネ・ルッソ)勝生真沙子さんと、洋画劇場でシリーズを観ていた世代の方には「これこれ!」となる配役ですね。

本シリーズは何回も観てるのに毎回内容を忘れるんですよね。ていうか、覚えるほどの内容がないとも言えるかも(苦笑)。本作は3作目ですがやってることはいつもと同じで、リッグスとマータフが街に繰り出してはいろんなひとに迷惑をかけるという。

リッグスに関しては元々「戦場で心に傷を負った元特殊部隊員」という少し悲しさを感じさせるキャラクターだったのに、本作ではもう嬉々としてひとを殺しまくる単なる狂人でしかないです。交通違反をした市民に銃を突き付け、「自殺に見せかけりゃいい!」と脅してみたり、22才になったばかりの若い警官が無惨に撃ち殺された際には、「誕生日おめでとう。」などと耳を疑う発言を繰り返します。まあメル・ギブソンって本当にそういうことをしかねない怖さがあるから妙に説得力があるんですけど。

さらに始末が悪いのは、本来リッグスを諌める役回りのマータフまでがそんなリッグスを見てゲラゲラ笑ってるので、いよいよ「こいつら、狂ってる...。」という気持ちにもなりますよ...。

話は本当に不謹慎派手なだけなんだけど、それでも観ちゃうのはキャラクターの魅力だったり、なんだかんだ嫌いになれないから。忘れた頃にやっぱり観たくなる。そんな作品です。

個人的評価
6.5/10
2本目
死霊のえじき
1985/アメリカ
監督 ジョージ・A・ロメロ

ロメロ監督のゾンビ3部作の3作目。前作「ゾンビ」 は個人的にオールタイムベスト級に好きなんですけど、本作も素晴らしかったですよ。

今回は地下施設が舞台なんですが、すごく感心したのが閉鎖的な空間でありながらも、非常にスケールの大きさを感じさせるセット。限定空間を舞台にすると、どうしても見た目的にせせこましくなりがちですけど、「広大な地下施設」っていう説得力がちゃんとある。

それからロメロ監督の、人間とゾンビの間に境界線などあるのかという問いであるとか、むしろ「残酷さ」という部分においては人間のほうが上かもしれないが、その中でも一握り残された人間の「良心」みたいなものであるとか、前作に続き一貫したメッセージを感じる。

そして本作で特筆すべきはやっぱりゾンビの「バブ」ですよね。博士の実験で僅かながら人間性を取り戻した彼が、博士の仇をとるために大尉を殺す場面はなかなかのカタルシスで、バブが有名な敬礼ポーズをした瞬間、僕も思わず親指「グッ」と立ててしまいました。

意外とレンタルとかあんまりされてなかったりするみたいなんですけど、今huluで配信されてるのでよろしければ。ちなみに僕は日本語吹替版で鑑賞したんですがとてもよかったですよ。

個人的評価
8/10
3本目
HUNT/餌
2017/オランダ
監督 ディック・マース

久しぶりに「モンスター映画が観たい!」となり鑑賞しました。とは言え、このてのジャンル映画は数が膨大なわりに地雷も多いので、正直そんなに期待はしてなかったんですけど、なかなかよかったですよ。

子どもの頃はヴァル・キルマーマイケル・ダグラス主演の「ゴースト&ダークネス」 とかよく観てましたけど、モンスター映画でライオン物って意外と少ない気がします。本作が偉いなと思ったのは、大予算が無い中でもわりとハッキリとライオンを見せてくれたこと。モンスター映画ってクオリティの粗を隠すために、アクションがだいたい暗闇でよくわかんないみたいなこと多いですが、本作ではライオンが白昼堂々と現れます。ゴア描写もちゃんとしてるし、子供にも容赦無い感じも好感が持てました。それから「車椅子のライオン・ハンター」とか、すごくフレッシュなアイデアだと思いましたよ。またその車椅子がガンダムみたいでカッコいいし、いっそのことミサイルでも発射するぐらいのケレン味があってもいいぐらいなんて思っちゃいました。

ただ、1シーンごとに余計な会話ややり取りが多いので、やや間延びしてる印象があったりはします。それからいくらなんでも銃が効かなすぎとか、もちろん突っ込みどころはたくさんありますよ。

でも地雷多めなこのての作品群の中では間違いなく良作な部類の作品ではあるので。気軽に観たらかなり満足度は高いんじゃないかしらん?

個人的評価
6/10
4本目
CURE
1997/日本
監督 黒沢清

僕は黒沢清作品に関しては完全に門外漢でして。2016年の「クリーピー 偽りの隣人」 は、ちょっと突っ込みたくなる場面はありつつも、日本版「悪魔のいけにえ」 って感じの雰囲気が楽しかったですが、他の作品は何となく難解そうで取っつきにくかったのでスルーしてきました。

結論から言えばスゲーおもしろかったです。たぶん熱心な黒沢清ファンの方々からすれば「何をいまさら」と言われるかもしれませんが(苦笑)。

とにかくものすごく怖かったです。何がって全部が怖いんです。画面に映っているもの全てが不気味で、見てはいけないものを見ているような邪悪さを感じる。本作が影響を受けたとされる作品として「エクソシスト3」 がよく取り上げられるみたいですけど、なるほど確かに共通する雰囲気があります。

撮影がやっぱり特徴的ですよね。明らかに意図的に引き伸ばされた1カット長回し。それもまるで監視カメラ映像のような撮り方で、何か決定的にとんでもないことが起こる瞬間も、決して劇的ではなく、身も蓋もないぐらいのあっけなさがある。それがすごく怖い。

上手く説明できないですけど、道を歩いてたらたまたま飛び降り自殺を目撃しちゃったみたいな怖さがある。ラストとかもめちゃくちゃゾッとしますよ。元は最後にあのファミレスの店員さんが手当たり次第に殺しまくるみたいな見せ場があったみたいですけど、個人的には無くて大正解だと思いました。あのくらい突き放されたほうがむしろ怖い

音の使い方も素晴らしいと思いましたね。洗濯機の音をあんなに怖いと思ったのは初めてです(笑)。あの洗濯機の音もあえて大きく聞こえるように計算されてるんだと思うんですよね。僕らの日常生活でも精神的に病んでるときって環境音がやたらとでかく聞こえることがあるじゃないですか? 以前鑑賞したデヴィッド・リンチ「イレイザーヘッド」 でも同じような演出がありましたが、もしかしたら影響受けてたりするのかも。

この世界の「闇」を覗き込む時、「闇」もまたこちらを見返している。

こういう雰囲気の作品は基本的に好きなので、個人的な好みとしてもドンピシャでしたね。

何か小難しそうと食わず嫌いしてましたが、観て本当によかったです。大好きな作品になりました。これを機に他の作品も観てみたいです。

個人的評価
9/10

それでは今回はこの辺で。

ではまた。