監督:三島有紀子
出演:前田敦子 カルーセル麻紀

 

 三島監督が47年間向き合い続けてきた過去の出来事をモチーフに撮りあげたドラマ。北海道・洞爺湖の中島、伊豆諸島の八丈島、大阪・堂島の3つの「島」を舞台に、それぞれ心に傷を抱える3人の物語が交錯する。お正月、洞爺湖の近くに暮らすマキの家に家族が集まる。マキはかつて次女を亡くしていて、一家団らんの場にも喪失の雰囲気が漂う。八丈島に暮らす誠の元に、娘の海が5年ぶりに帰省する。海は妊娠しており、結婚さえ知らずにいた誠は複雑な思いを抱く。元恋人の葬儀に参列するため堂島を訪れたれいこは、レンタル彼氏に声をかけられる。過去のトラウマから誰にも触れることができないれいこは、自分を変えようと、男と一晩過ごすことを決意する。

 三島監督が幼いころに受けた性被害をモチーフにした3つのエピソード。3つのエピソードのつながりがよく分からなかった。堂島のれいこは性被害を受け、それに長らく悩んでいた。マキの娘もどうやら性被害を受けていて、それが原因で亡くなったらしい。パンフレット読んでやっと分かったけど、性被害による心の痛み、男性による支配や暴力の否定が根底にあるらしい。監督はこれを誰かに分かってほしいとは思わずに撮ったような感じ。自分自身に区切りをつける意味で撮ったのかな。でも、見る方はたまったもんじゃない。もう少し分かりやすくしてもらいたかった。ちなみに、前田敦子が泣くシーン、長すぎるよ。5分ぐらい泣きじゃくってた?

☆☆(T)