監督：齊藤勇起
出演：高良健吾 大東駿介
幼なじみの少年が背負った罪と、22年後に起きた新たな殺人事件の行方を描いたノワールミステリー。13歳の正樹が何者かに殺され、同級生の春、晃、双子の朔と直哉は、正樹が度々遊びに行っていた老人「おんさん」が犯人だと思い込み、家に押しかけ、揉み合いの末に1人がおんさんを殺してしまう。22年後、刑事になった晃が町に帰ってくる。やがて、かつての事件と同じように、橋の下で少年の遺体が発見される。晃は朔、春と再会し、22年前の事件の扉が再び開き始める。
昔見た「ミスティック・リバー」という映画を思い出した。少年の頃の仲間が成長して刑事と容疑者として出会う。この設定はよくありそうな感じがした。途中までは飽きなかったんだけど、昔の殺人事件と現在の殺人事件が結びついてからの展開が急すぎて、突然、中途半端に終わった感じ。春はヤクザとケリをつけると言ったけれど、その結末はどうなったの？晃が悪賢い先輩刑事と対決する姿勢を見せたけど、それもどうなったのかわからないまま。
最大のツッコミどころは、朔が何で少年を殺したのか分からなかったこと。昔の自分の犯罪を少年になすりつけるためだとだとしたら、動機が弱すぎる。昔の事件はもう捜査されていないのに、わざわざ財布を持たせたことで、晃たちが昔の事件と結びつけるきっかけになってしまったと思う。さらに血がついた石を自宅に持って帰るのも意味不明。その辺に転がしといたほうがいいよね。指紋なんかついてないんだし。最後に朔を問い詰めたけど、最後まで認めなかった。朔がすごい悪者のようで終わったけど、それは晃と春の想像として描かれていた。それが事実なんだろうけど、はっきりさせてほしかった。すごい俳優さんが出てたけど、映画としてはイマイチだった。
☆☆（Ｔ）