監督:ギャスパー・ノエ

出演:ダリオ・アルジェント フランソワーズ・ルブラン

 

 認知症の妻と心臓病の夫が過ごす人生最期の日々を、2画面分割映像による2つの視点から同時進行で描いた作品。「病」と「死」をテーマに、誰もが目を背けたくなる現実を冷徹なまなざしで映し出す。心臓に持病を抱える夫と、認知症の妻。離れて暮らす息子は両親のことを心配しながらも、金銭の援助を相談するため実家を訪れる。夫は日ごとに悪化していく妻の認知症に悩まされ、ついには日常生活にも支障をきたすように。やがて、夫婦に人生最期の時が近づいてくる。

 

 心臓病を患う夫と認知症の妻。認知症の妻はどんどん悪くなって2人での生活がおぼつかなくなる。息子が時々様子を見に来るが、息子でも手に余る状況。その息子も恐らく薬物で治療中なのではないかな。金銭面で頼りない。夫は妻を心配しつつもきちんと医者に見せないし、妻が精神科医をしていたときの助手の女性に頼ろうともしない。自分はわかると言って結論を出しているけれども、夫一人の手に負えないのは誰が見ても明らか。なのに、なんでこんな頑固なんだろうと思ってしまった。これから老後を迎える私にはある意味、現実にありうるホラー映画のように怖かった。

☆☆☆(T)