監督:スティーヴン・スピルバーグ

出演:ガブリエル・ラベル ミシェル・ウィリアムズ


 巨匠スティーヴン・スピルバーグの自伝的作品。初めて映画館を訪れて以来、映画に夢中になった少年サミーは、母親から8ミリカメラを贈られる。家族や仲間たちと過ごす日々のなか、人生の一瞬一瞬を探求し、夢を追い求めていくサミー。母親はそんな彼の夢を支えてくれるが、父親はその夢を単なる趣味としか見なさない。サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを通じて成長していく。第95回アカデミー賞で作品、監督、脚本、主演女優(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優(ジャド・ハーシュ)ほか計7部門にノミネートされた。

 

 スピルバーグの自伝的映画。子どもの頃、家族で見に行って映画にはまり、以来、青春のすべてを映画制作に捧げた。私も映画は好きだけど、見る専門で、自分で撮ろうって気にはならない。自分が頭に思い描いた映像が実現できた時はきっと嬉しいだろうし、観客に笑ってもらいたいとか泣いてほしいとか思って作るわけだから、見てもらった時のみんなの反応も次の作品を作る励みになるよね。

 彼は夏のキャンプの様子を撮影、編集したことで、母親の不倫を知ってしまい、苦しむ。映像を撮ってなければ、編集のためにじっくり見なければ気づかずに済んだのに。でも、高校の行事では、映像がきかけで彼をいじめていた同級生と仲良くなる。映像は彼の人生にいろんな影響を与えたんだね。彼の母親は感性の人だったのかな。やがて、自ら浮気を告白し、浮気相手の元へ行ってしまう。自分の気持ちに素直で、真面目で平穏な生活よりも毎日笑って好きな人と暮らしたいという欲求に従ったんだね。スピルバーグは母親の感性を受け継いだのかもしれない。
☆☆☆(T)