監督・脚本:深田晃司

出演:木村文乃 永山絢斗

 

 矢野顕子の楽曲「LOVE LIFE」をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を描いた。再婚した夫二郎と息子敬太とかけがえのない時間を過ごしていた妙子。しかし、ある日、夫婦は悲しい出来事に襲われる。悲しみに沈む妙子の前に、失踪した前夫であり敬太の父親でもあるパクが戻ってくる。再会を機に、ろう者であるパクの身の回りの世話をするようになる妙子。悲しみの先で妙子は、ある選択をする。

 

 最愛の息子を事故で亡くし、夫婦にぎくしゃく感が漂う。元々、旦那が頼りないというか、もう少し奥さん大事にしなよーって思っていたけど、息子が亡くなってからは妙子が元旦那パクにどんどん近づいていく。やっぱり今の旦那に不満があったのかな。パクは随分無責任だと思ったけど…。最後、どうなるのかって思ったら意外な展開というか、パクのあまりの身勝手さに、やっと妙子も目が覚めたか。二郎とはもう上手くいかないかと思ったけど、そうでもなさそうだね。

 

 深田監督はいつも「闖入者」を登場させて、人間関係を引っ搔き回し、闖入者は嵐のように去っていくという形が多いけど、今回もその典型。パクとぐちゃぐちゃになったおかげで、二郎と言いたいことを言えるようになったかもしれない。
☆☆☆(T)