監督・脚本:松本優作

出演:白鳥晴都 川島鈴遥 オダギリジョー

 

 孤独な男女3人の絆と一人の少年の成長を描いたドラマ。児童養護施設で暮らす優太はある日、母の居場所を知って会いに行く。しかし、母は同棲する男に依存し、自堕落な生活を送り、優太に「施設に帰って」と言う。当てもなく海辺を歩く優太は、軽トラックで暮らすホームレスの男坂本に出会う。2人はわずかな日銭を稼ぎながら寝食をともにするように。裕福な家庭に生まれながらも居場所がない詩織とも知り合い、心優しい彼女にひかれていく優太だったが…。

 

 施設に預けられ、母親に放ったらかされて育った優太。施設の職員にも心を開かず、ひたすら母親に会いたいと思っている。優太は赤ちゃんのころに養護施設に預けられて、ほとんど母親の愛情を受けずに育ったように思えたけど、それでもやっぱり母親が恋しくて、一緒に暮らしたいんだね。施設を抜け出して母親に会うも、母とは暮らせず、たどり着いた海辺の町でホームレスの坂本と知り合う。施設の職員にも心を開かなかったのに、初対面の坂本にはすぐに心を開くのが不思議なんだけど、似たもの同士って思ったのかな。どこにも居場所がない者同士。「学校行け」とか「施設に帰れ」とか説教がましいこと言われなかったから、居心地が良かったのかもね。

 地元の高校生とトラブルになって、坂本のトラックは放火され、坂本も亡くなってしまう。坂本は逃げようと思えば逃げ出せたのに、諦めて逃げなかったように見えた。これから先の人生、先が見えなくてどうにでもなれって感じだったのかな。優太は詩織と逃げようとした矢先、警察に捕まる。もうちょっとちゃんと調べろって思った。で、なんで「全部ボクのせい」とか言っちゃうの?死んだ坂本と同じく、どうにでもなれって気持ちなの?優太が高校生とトラブルになったのが原因かもしれないけど、そういうニュアンスではなかった。最後の終わり方が理不尽すぎてよく分からなかった。
☆☆☆(T)