監督・脚本:松居大悟

出演:池松壮亮 伊藤沙莉

 

 ロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観がベスト作品に挙げる、ジム・ジャームッシュ監督の「ナイト・オン・ザ・プラネット」に着想を得て書き上げた新曲「ナイトオンザプラネット」に触発された松居監督が執筆した、オリジナルのラブストーリー。怪我でダンサーを諦めた照生とタクシードライバーの葉の出会いから別れを、毎年の7月26日をさかのぼりながら描く。2021年第34回東京国際映画祭コンペティションで観客賞を受賞。

 

 既に別れてしまった恋人の6年間を、1年ずつ同じ日の出来事を遡っていく。最初に別れていることが示されて、どうして別れちゃったのか、盛り上がっていた誕生日、どうやってつきあうことになったのか、2人の出会いは…という形で進む。つきあっている時は最高に相性が良くて、ハッピーで、このまま結婚するんだろうなーと思う。でも、タイミングとか挫折とか、まぁいろいろあるよね。

 クリープハイプの曲が超良かった。ちょっと切ないような、ほっとするような…。尾崎世界観もちょこっとだけゲスト出演しているのよ。そして、伊藤沙莉は笑い方がいいよね。とっても楽しそうに笑って、笑い声を聞いてるだけでこっちも笑顔になる感じ。池松壮亮も朴訥としたしゃべり方がいい感じだった。2人ともいい子の役で、見ながら、またヨリを戻さないかなーなんて考えてしまうけど、なかなかそうはいかないね。それぞれ、その後、別の人との出会いがある訳で…。最後の最後、葉が意外な人と結婚しててびっくりしたけど。

 余談だけど、池松壮亮は元ダンサー役で、私がレッスンに出ていた先生がダンサー仲間で出演しているのよ。振り付けのお手伝いもしたみたい。踊っている場面もすぐに気がついた。さすがです、先生。
☆☆☆☆(T)