監督:ミキ・デザキ
出演:トニー・マラーノ 藤木俊一 山本優美子 杉田水脈

 慰安婦問題について、日米韓の活動家や研究者ら30人余にインタビューしたドキュメンタリー映画。強制連行の有無や慰安婦の人数など対立する論点をめぐって、主張と反論を並べて紹介し、観客に考えさせる構成になっている。杉田水脈代議士、「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝氏らから、慰安婦の強制連行を否定する主張を聞く一方、慰安婦問題の歴史に詳しい吉見義明・中央大名誉教授や林博史・関東学院大教授らにもインタビューした。

 賛否両論を併記して、さあ、自分で考えましょうという手法ではあるけれど、監督自身の考えがしっかり反映されている。強制連行はなかった、慰安婦は金銭目的の売春であったという主張の矛盾点をしっかり突いていて、時々、観客から笑いが起こるほど、一貫性がないということをしっかり描き出していた。すごい力作だと思った。
☆☆☆☆☆(T)