監督・出演:ロブ・ライナー
出演:ウディ・ハレルソン ジェームズ・マースデン ジェシカ・ビール

 イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた実録ドラマ。2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、フセイン政権を倒壊させるため「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻を宣言。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどアメリカ中のマスコミが大統領の発言を信じて報道を続ける中、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社ワシントン支局は大統領の発言に疑念を抱き、真実を報道するべく情報源をたどっていく。

 新聞発行当時は無視され続け、後になってこの新聞の主張が正しかった事が明らかになるんだけど、多くのメディア、それも主要紙が主張すると、それが本当だとみんな思うから怖いねー。今のトランプ政権も自分たちに都合の悪い記事は「フェイク(嘘)」と決めつけて、釈明もしない。ナイト・リッダー社には当時、読者から抗議があったかもしれない。真実を追い続け、たとえ主要紙と真逆の主張でも報道し続けるのは勇気が要る。記者もだけど、社長の判断もすごいと思う。記者魂にあふれた人だね。

 ただ、映画としてはちょっと地味だったかな。大スクープだったのに、発行当時は大スクープとして扱われなかった、この新聞の地味な輝きそのままとも言えるかな。途中、「大統領の陰謀」を思わせるシーンもあるんだけど、そのワシントン・ポストも政府発表の内容に疑問を持たない新聞社に成り下がってしまったのは残念な感じがしたね。
☆☆☆(T)