続きです。
私が
お風呂掃除を終えて
キッチンに戻ると、
床にお米が
ばら撒かれていました。
楽しそうな
子どもの声と、
やめなさーいという
おばあちゃんの声。
あーなんか
ばら撒いたんだな。
普通の環境で
普通に考えたら、
ちょこっとの話なら
捨てちゃうかも。
それとか、
冷蔵庫のほこりに
まみれたよとか、
コンロエリアの
ベタベタ汚れに
くっついちゃったよとか、
そーなったら
もったいないけど
捨てちゃうよね。
で、
改めてこの辺
綺麗に掃除しよって
なるよね。
でも、
もしそれが、
ガッツリ1合以上
ばら撒いちゃったら、
ささっと
かき集めれるだけ
かき集めて救出して、
あとは残念やけど
ごめんなさいするよね。
で、
かき集めたやつは、
とりあえず
綺麗かどうか確認して、
綺麗なら戻す。
汚なければ
一旦避けといて、
次に炊くときに
改めて
ゴミついてないか見て、
それはそれとして
洗うなりして、
戻せる分は戻す。
みたいな感じ
だと思うの。
普通だったらね。
だけど、
うちは
違うよね。
まず、
おばあちゃんが
対応してる時点で、
1合どころの騒ぎじゃない。
何合でも
ばら撒き放題
みたいなもんよね。
もちろん、
楽しく好きなだけ
ばら撒いてました。
そしておばあちゃんも、
わーきゃー言いながら
お米がどこにばら撒かれたか
一瞬で忘れるから、
スリッパで
踏み散らかすよね。
おばあちゃんの
白髪だらけの
スリッパでね。
それから、
ほうきを持ってきて
かき集めたけど、
まあまあな
ごみと髪の毛だらけ。
改めまして、
キッチンの床掃除は、
おばあちゃんの担当です。
おばあちゃんは、
2日に1回
雑巾掛けで
床掃除してるって
言うけど、
実際は5日に1回くらい。
15年前のことを
つい最近のことのように
話す人やから、
まあそれは
そんなもんでしょ。
で、
おばあちゃんの
拭き方って、
ただ濡れた雑巾で
床を撫でるだけだから、
たとえば
コーヒーが
こぼれてたとしたら
その汚れは
落ちるけど、
髪の毛とか
ホコリとかは
左右に
移動するだけ。
視力もそんなによくないし、
おまけにおばあちゃんは
白髪だし、
見えてないので
綺麗になったと
思ってる。
そもそも
そんなに汚れてるとも
思ってない。
なんだけど、
当たり前だけど、
ガッツリ汚れてます。
だから、
私がたまに
床の拭き掃除してたの。
そしたら、
おばあちゃんは
怒ります。
「昨日私拭いたばっかりやし
綺麗やし拭かんでいい!」
「なんもごみ落ちとらん!」
「綺麗や!
そんなことせんでいい!」
自分がちゃんとやってるのに、
やり直しをされてるような
気持ちになるんだと
思います。
おそらく、
認知症もあるので
通常よりも
怒りっぽくなってます。
まあとにかく
嫌がってきます。
でも
私としては、
おじいちゃんが
入院して
家からいなくなったとき、
リセットしたくて
めっちゃ綺麗にしました。
おばあちゃんは
それを見て
めっちゃ嫌がってたけど、
そのときだけは
綺麗にしたかったので
強行突破しました。
いいか悪いか
わからないけど、
「ほら、こんなに汚いやろ?」
と、
おばあちゃんに
とれたゴミを見せたりも
しました。
「ほんとや!なんでや?
不思議な〜〜〜。
昨日拭いたのに。」
と、
不服そうでしたが、
さすがに
目の前に出されると
否定もできないみたいで、
いちお
受け入れてました。
もちろん、
汚かったことも
受け入れたことも
20秒後には
忘れてるけどね。
でもいちお、
そんなことがあったので、
私もあんまり
積極的に掃除しようとせず、
おばあちゃんに
できるだけ任せて、
触発しないように
してました。
対処として、
大人も子どもも
必ずスリッパを履く、
子どもを歩かせるときは
お風呂前のときだけ、
と決めてやれば、
まあいいかなと思って
しのいでました。
だけど、
お米をばら撒くとなると
話は変わってきます。
ちゃんと掃除
しとけばよかった…
でも、
時すでに遅し。
「このお米、
全部捨てた方が
いいかな…?」
そう呟いた私に、
おばあちゃんは
言いました。
「そんなもったいない!!!」
「食べれるすいや!!!
何ゆーとれん!!!」
まあいいか。
とりあえず今は
子どもとお風呂だ。
このお米のことは、
明日子どもが
保育園に行ってから
考えればいいわ。
そう思った私は、
「わかった、
じゃあまあこれ
別で置いといて。」
と、
一旦放棄して
しまったのです。
今思えば、
その集めたお米を
おばあちゃんの
手の届かないところに
隠しておけば
良かったのにね。。。