やっと読了したのは、
江國香織さんの本。
「ひとりでカラカサさしてゆく」
実は、読み終わるまで、
ひとりでカサカサさしてゆく
だと思い込んでおりました(笑)
なんとも失礼な話ですw
中に出てきた童謡の一節、だと気づくのに、
ずいぶんかかった、ということです(笑)
装丁も可愛い本だったのですが、
帯のコトバがなかなかの衝撃でw
「人間は泣くのとたべるのとを
いっぺんにはできないように
なっているらしいですよ」
大みそかの夜、ホテルに集まった
八十歳過ぎの3人の男女。
彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を
懐かしみ、そして一緒に命を絶った。
三人にいったい何があったのか・・・・・。
三人にいったい何があったのか・・・・・。
妻でも、夫でも、子どもでも、親友でも、
理解できないことはある。
唐突な死をきっかけに思いがけず動き出す。
残された者たちの日常を通して浮かび上がるのは―――。
ほしいものも、
行きたいところも、
会いたい人も、
ここには
もう
なんも
ないの――――――。
三人はなぜ、大晦日の夜に
一緒に命を絶ったのか。
人生における
いくつもの喪失、
いくつもの終焉を
描く物語。
一瞬、重そう??と、読むのをためらったのですが(笑)
ちらりと読み始めたら、軽い感じで始まって、
映画を観てるかのような、場面変化と視点が変わっていく感じが
わたし的には、かなり好きでww
ただ、最初はかなり混乱するので、
思わず、手書きの相関図。
突然、場面と視点が変わって、
いろんな人が出てくるので、
相関図も書き足しながら(笑)
命を絶った3人に関係する人達が、
交差したり、交錯したりしながらw
進んでいくストーリーを
夢中で読んでいました。
THE江國ワールドww
江國香織さんの小説に出てくる人物は、
みんないろんなことを抱えていて。
それぞれの立場で、それぞれの思いをもって、
起こる出来事に向かっていて。
淡々と過ごしている日常も、
一生懸命でいとおしいなと。
根底にうっすらと流れる
いい意味での絶望みたいなものが、
わたしはどうも好きみたいです。
そして、わたしの備忘録的抜き出し。
仲のいい家族の中でまっすぐ育ってきた女性の吐く正論に、
自分が対処できるとは思えない。
幾つもの喪失、幾つもの終焉。
ほんとうに、自分たちはたくさんの死を
経験してしまったと完爾は思う。
なんといってもいちばんの魅力は、
いくらでも会話の続くところだ。
気をつけて。とっとっとっとっとでるわよ。
だから、仕方がなかった、と思おうとするのに、
上手く自分を説明できない。
日々の出来事を報告したりされたりする
相手がいるのといないのとでは、
人生の安定感が全然違う。
あたしはお金はあるんだけど、お金があっても
ほしいものがなくなっちゃったの。ほしいものも、
行きたいところも、会いたい人も、ここにはもなんにもないの。
いろいろな人間がいるものだ。葉月はこの国に来て、
何度もそれを思い知らされた。そして、それを
思い知らされることが気に入ってもいる。
さみしい思いをさせたかもしれないが、
知佐子には、そのことで娘に(あるいは死んだ夫に)
謝るつもりはまったくない。
妻としても母親としても、できるだけのことはしたのだ。
癖というのは結局のところ個性で、そうであるならば、
自分は知佐子のそれを、たぶん好んでいたのだろう。
昭和を生きた3人と、それにまつわる人達。
こんな帯の画像も発見しましたw
江國香織さん、書かれる文字も江國さんのビジュアルも好き♪
いろんな人が出てくるので、
誰に気持ちが重なるのかは、
読む人に寄って違うんだろうなw
でも、わたしはとっても好きな1冊。
ご興味あればぜひ^^
なんてことを思いながら、
ブログを書いていた夜なのでした^^