アメリカからの日本刀の返還 その4
2020年、コロナ禍で世界中が大変な事になってしまい、自分も刀の返還の事を忘れかけていましたが、2022年に今度の担当の責任者から連絡を頂き、9月に刀を取りに行く事になりましたとお聞きして、このミッションは死んでいなかった!と驚き、また備前長船刀剣博物館に寄贈の許可を頂けるよう交渉しました。
今度の博物館の学芸員さんも快く引き受けて下さり、遂にその刀を9月24日に成田税関から受領して、10月に東京都教育庁で審査され、晴れて「登録証」と共に担当者の元に来たのです。
11月5日担当者2人と私はひっそりと新幹線で岡山まで行き、在来線に乗り換えて備前長船刀剣博物館に着きました。
学芸員さんに鑑定をして頂き、「冬廣」に間違いない事が証明され、寄贈を受けて頂きました。
アメリカでは返還式のパーティーが盛大に催されました。米国の有力者がズラリと並び、日米友好の象徴として返還が考えられており、新聞社まで取材に来ていたそうですが、日本では3人だけが岡山まで持参しただけで、寂しいものでした。
しかし、12年かかりましたが、日米友好のための外務省を通した依頼に本当に少しだけ関われた事を幸せに思います。
鞘が無く、少し錆びていた「冬廣」ですが、2度展示された時には研がなされ、鞘もちゃんと拵えて頂いていたとお聞きしました。いつかまた「冬廣」が展示される時にその晴れ姿を見たいと願っています。
次はよもやま話として、市川雷蔵さんについてお話しましょう。