大森 由紀子のブログ

大森 由紀子のブログ

フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。

*インスタグラムのアカウントのご案内:インスタグラムのアカウントは 
 @omoriyukiko です。ストーリーズもアップしています。


*京都教室開講のご案内
 京都に2か月に1度出向き、フランス地方菓子教室を主宰しております。
 1回ごとにフランスの1地方をテーマに、お菓子3品をデモンストレーション。
 資料などをもとにその背景や歴史を学んでいただきます。この機会にフランスの魅力を
 沢山お届けしたいと思います。ご試食時には、お菓子に合うワインも!
 
 詳しくは、
 info@yukiko-omori-etre.com 担当:市川
 までご連絡ください。


*新刊のご案内です。

「フランス伝統料理と地方菓子事典」
フランスを21地方に分け、地方ごとの農産物、料理、菓子、ワイン、チーズ、コンフィチュールなどのお土産などを写真とともにご紹介した本です。さらに75品の料理とお菓子のレシピも!
この30年のフランスとの往復で知り得た情報、蓄えた知識、そして土地土地の人々と触れ合った中で語っていただいた貴重な話をこの1冊にまとめました。臨場感ある現地の写真もたくさん散りばめました。ミシュランを思わせる赤と黒の表紙も素敵です!誠文堂新光社 税込み7,700円。

「フランスの宝石菓子100」
フランス菓子を、伝統、郷土、お土産、コンフィズリー、行事と5つのカテゴリーに分け、その名前の由来や歴史を語った本です。フランス全土のお菓子を網羅。お菓子の撮影は全てパリで行いました。取り寄せたコンフィズリーやマカロンもありますが、親友ソフィーのアパルトマンで私自身が作ったお菓子もあります。美しい写真とともにお楽しみください。パイインターナショナル 税込み2,200円+税。

Comming soon!
「マリー・アントワネットのお菓子」
マリー・アントワネットの人生に寄り添ったお菓子とは?
18世紀に生きた優雅で残酷な王妃の生涯とともに、ハプスブルク家の子供時代、ヴェルサイユ宮殿での生活、自然に憧れて建設した村里、そして逃亡、と折々の場面で彼女に安らぎを与えたお菓子を30品のレシピ入りで綴りました。お菓子に関係する食の歴史とともにお楽しみください。当時の宴会の様子や食器などの図絵や写真もたくさん掲載します。5月初めに発売。Amazonでご予約受付中です!


*連載
 産経新聞にお菓子コラム「大森由紀子のスイーツコラム」
 料理王国「スイーツの教科書」
 
*クロワッサンの通販で人気だった米粉ののフランス・レジョン・ウィッチは、楽天からお求めいただけます。製造していただいている小城製粉「のせ製菓」さんから発送します。当商品は、鹿児島県川内市のふるさと納税返礼品としても好評です。
サクサクの米粉ビスキュイに、 フランスの4地方ローヌ・アルプのレーズン、バスクのショコラ、
グルノーブルのクルミ、ブルターニュのキャラメル味が包まれています。贈り物やおみやげにぜひ!

*通販
書籍やヴィジタンディーヌ型やロリケット型の[エートルブティック]にてネット販売をしております。
一度のぞいてみてください。

http://etreboutique.base.shop





京都クラス始めて3年以上経ち、3年がワンクールの生徒さん、卒業!と思いき
や、みんな離れたくない、というので(笑)、新しいクラスを作ってしまった。その
名も、サロン・ド・アントワネットSalon d’Antoinette(サロン・ダンワネット)。

このサロンでは、私が皆さんにぜひ召し上がっていただきたいお菓子を2品作り、著
書「マリー・アントワネットのお菓子」を深読みして、文章の奥に潜むさらなる歴史
や人物、絵画の解説などを補足していきます。

今回のお菓子は、ドイツ菓子一品「フロッケンザーネトルテ」。これはなんとシュー
生地を薄く伸ばして焼き、それをクリームと重ねて作ります。なにせ3枚もベタベタ
のシュー生地を伸ばすのが大変、ということで、ここで、元辻製菓専門学校の先生
で、

3年前から生徒さんとして在籍していただいている堀田先生の手もお借りして、共
演!(笑)(笑)。さすが先生、手早くて美しいわん💕

堀田先生は、普段はご覧になっている
だけですけど、大森センセ大変そうって思うと助けてくれる、めっちゃ頼もしいセンセです。現在は某女子大の教授よ。一月にエテルネル会員のために東京の教室で、単発授業して下さいます。只今日程とメニュー決めてます。また一斉メールでお知らせするね。

もう一品は、東京の教室でもベストセラーのリンゴのタルト。表面に広げる卵白にか
らめたアーモンドが美味しさの秘密。

深読みでは、19世紀の美食家でもあり政治家、そして逃亡先のアメリカではバイオ
リンの先生として稼いでいたというお菓子の「サヴァラン」の名前のもとになった、
ブリア・サヴァランの20の格言を解説(私の本の「はじめに」で、サヴァランさん
が登場します。格言では、「あなたの食べているものを言ってごらん。あなたがどん
な人か当てよう」と言っています)そして、ヨーゼフ2世の宴会の絵画については、
着席しているハプスブルク家の人数に言及(日曜クラス)。ここには、まだマリー・
アントワネットはいなかったのでした。

*京都教室については、HPに記載がありませんので、直接DMでお問い合わせくださ
い。

















この本は、15世紀にブルターニュがフランスに併合された際、犠牲になったJeanne de Franceジャンヌ・ド・フランスという王妃のために、すでに出来裁判なのに(マリー・アントワネットもそうですが)であらゆる施策を講じ、熱弁をふるう敏腕わけあり中年弁護士、フランソワの泣き笑いの話。最後に感動秘話が二つも待っております。当時の叡智が集まるカルチェ・ラタンの様子や、パリがいかに臭かったかなども知ることができて、とっても興味深い本です。作家の佐藤賢一さんは、この本で直木賞受賞。

ブルターニュは、かつてはフランスには属していませんでした(ブルターニュに限ら
ず各地方は、18世紀頃までにフランスに併合される)。15世紀に、Anne de Bretagneアンヌ・ド・
ブルターニュというブルターニュ公国を引き継いだ公女(当時は、ロワール地方も
ひっくるめてブルターニュだったので、今でもロワールに属するゲランドをブルター
ニュのイメージでとらえます)は、当時のフランス王シャルル8世の「ブルターニュ
をなんとしてもフランスに入れたい」と大金を払って結婚することに。


アンヌ ド ブルターニュ


しかし、その
シャルル8世は急死してしまったため、次の王ルイ12世が、ブルターニュを手放し
たくなかったがため、当時の妻と離婚してまでも、アンヌ・ド・ブルターニュを手に
入れようと。その当時の妻というのが、この本のジャンヌ・ド・フランスです。彼女
は離婚裁判で、結局負けてしまったのですが、後にブールジュにアノンシアード(受
胎告知)修道会を創立し、20世紀に(遅い!)聖列されたのでした。終わりよし!


ブルターニュ公爵城




#フランス王妃史
#フランス王列伝
#histoiredefrance 
#bretagne 
#大森文庫

なにせ語源は、ガレgalet(小石)から来ているというから、ガレットのイメージは、
ガリガリ?そんなことを意識して、私のガレット・ブルトンヌは、ザラメとアーモン
ドを適度な粒に粉砕したものを混ぜます。現地のものは、アーモンドは入らなかったでしょう。最近はプードルを少し入れたりするようですが。アーモンドは南仏の産物ですから遠いブルターニュには19世紀後半鉄道が開通されてからしか届かなかったと思います。これがまず、香りと味のひとつのポイント。もう一つのポイントは、バターが本当に沢山入るので(ブルターニュは有塩バターを産出する地域で有名ですよね!)いかに軽い食感を出すか。これはしかし、そのバターによってもたらされます。

つまり、混ぜるときにいかにバターを溶かさないか、それと、バターの粒を残すこと
も大切。その丸い粒の中に水分が含まれているから(なので、バターを溶かしてその
水分を逃してはいけない)、焼いたときにその水分が蒸発して穴があきます。そこが
サクサクの食感を生み出す極々小の空間になるわけね。

かつて、北フランスのお菓子で、さむ~い冬にしか作らないバターだくのとっても美
味しい幻の焼き菓子がある、というのを聞いたことがあって、ぜひその作り方を拝見
したいものだと思い、40年経ってます。(笑)が、それも、このバターの作用によ
るものですね。本当に現存する菓子なのだろーか、と今となっては謎。

ガレット・ブルトンヌ、先週の地方菓子料理クラスで作りました。

Pic 2のお皿は、ブルターニュのカンペール焼き。

#フランス地方菓子料理クラス
#galettebretonne 
@etrepatissecuisine