点数調整(確率分布) | 感じる科学、味わう数学

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科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

【問】問題が難しかったからか、あるテストの平均点が40点で、標準偏差が10点だった。
  そこで、次のような調整を行うことを考えた。

A:各人の得点に一律に5点を加える。
B:各人の得点の10 %を加える。

   Aの調整を行うと平均点は( ア )点に、標準偏差は( イ )点になる。
  また、Bの調整を行うと平均点は( ウ )点に、標準偏差は( エ )点になる。



《解説・解答》
 高校数学B「確率分布」からの出題です。次のことを使います。

○ 確率変数 X , Y について Y=aX+b のとき、E(Y)=a E(X)+b , σ(Y)=a σ(X) が成り立つ。

テストの点数 X について E(X)=40 , σ(X)=10 である。
調整Aは a=1 , b=5 の場合にあたり、調整Bは a=1.1 , b=0 の場合にあたる。
よって、調整Aで変換した点数を A とすると、A=1X+5 だから、
E(A)=E(X)+5=45  ・・・ア
σ(A)=σ(X)=10   ・・・イ
また、調整Bで変換した点数を B とすると、B=1.1X+0 だから、
E(B)=1.1E(X)+0=44 ・・・ウ
σ(B)=1.1σ(X)=11  ・・・エ