続・can と can't との些細にして遥かなる差 | 感じる科学、味わう数学

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科学は、自然そのものというより、モデルです。数学は、関係性を捉える枠組みです。
だから、正しいか否かより、大事なのは視点です。

 前の記事「can と can't との些細にして遥かなる差」で、次のような疑問を提出した。

can't」と言うとき、しゃべる側は「t」の音を発していない。だから聞く側にも「t」の音は全く聞こえない。
でも「can」と「can't」では意味は正反対だから、何かが違うはずだ。
can」の音と「can't」の音はどこがどう違うのか?

 ブログでもフェイスブックでも、そして職場でもいろんな人に聞いてみた。そうしたら答えはまちまち。

○ can't」の後にほんの少し間が空く
○ can」は短く弱く、「can't」は少し長めに強く
○ can」は音程が下がる、「can't」は音程が上がる

 どれも合っていそうだが、いまいちパキッとしないものだから、さらにいろんな人に聞いてみた。そうしたら、同僚の英語科のAさんが即答してくれた。(発音記号で説明してくれたのだが、ここでは発音記号を使えないので、それなりに書いてみる)

○ can」を発音記号で書くと「k(e)n」、can't」を発音記号で書くと「kaen(t)」
                 ↑                  ↑
     英語の「e」をさかさまにした記号  英語の「a」と「e」をくっつけたような記号

  can」の「e」は口をあまり開けない弱い音。「キャン」よりむしろ「kn」(クン)に近い。
  「can't」の「ae」は口を大きく横に開く強い音。「t」はほとんど音を出さないから、「キャン」と聞こえる。

すごく説得力があった。きっとそうに違いない。ちなみに別の英語科の同僚は

○ 文脈からわかる

と言った。僕には説得力はいまいちだった。
 余談だが、先ほどの同僚のAさんに「bridge(橋)とedge(端)とchopsticks(箸)を日本語で言ってみろ」と振ってみたら、イントネーションがガタガタだった。(Aさんは東北地方出身で、実は北陸出身の私も苦手なのだが)