天賞堂の鉄道模型を調べてみた

 

 日本で鉄道模型といえば、真っ先に挙げられる会社はTOMIX、KATO、マイクロエースで、この主要な3社が鉄道模型シェアの約8割を占めるといわれています。ですが、だからといってこれらの老舗模型会社以外の会社の製品が悪いかというとそうではありません。中には素晴らしい技術を持った会社も存在するのです。

その一つが「天賞堂」。今回はその天賞堂について調べてみました。

 


■天賞堂について
天賞堂とはどのような会社で、いつから鉄道模型を作っているのでしょうか。天賞堂は、もともとは出版や印鑑を取り扱う篆刻(てんこく)を主な業務としていましたが、1890年前後に懐中時計や貴金属を取り扱い始めました。その後も時計の輸入や組み立てなどで業績は好調でしたが、恐慌により破産。翌年には時計や宝飾品の小売業として立て直しを図ります。

 


実際に鉄道模型を取り扱い始めたのは1949年のことで、当時の社長の趣味が鉄道模型というのがきっかけでした。倉庫として使用されていた本店を改装して鉄道模型売り場を作ったところから、天賞堂の鉄道模型の歴史は始まります。



■天賞堂の鉄道模型
出版や篆刻、時計組み立てからまったく畑違いの鉄道模型へと進出していった天賞堂ですが、それでも製品の評価は高く、ファンから根強い人気があります。どんな製品を取り扱っているのかみていきましょう。


製品は少なめだが高品質
天賞堂は、TOMIXやKATOなどと比べると取り扱っている製品は全体的に少なめですが、その分一台一台が非常にハイクオリティな仕上がりとなっています。鉄道の種類としてはメインの蒸気機関車を筆頭に、電気機関車、新幹線、電車などを製作しています。


主力はブラスモデル
天賞堂はブラスモデルの鉄道模型をフラグシップとしており、それだけに鉄道模型のブラスモデル製作では代表的なメーカーとして有名です。ブラスモデルとはブラス(真鍮)でつくられたハンドメイドの高級精密模型の代名詞で、細部まで削り出し加工で再現されており、ダイキャストやプラスチック製の鉄道模型の上位版とされています。上位というだけあって価格も10〜40万円台と高級品になっています。


ダイキャスト、プラスチック製も
主力は真鍮製ですが、ダイキャスト製のモデルも負けてはいません。実際の車輌を細部まで観察し、専門の職人が念入りに製作した金型が使われています。また、別付けのパーツを豊富に用意することで、ブラスモデルに匹敵するほどのクオリティに仕上がっています。ダイキャスト製はサウンドの反響効果が高く、それが目当てで買っていくファンもいるほどです。価格は10万円前後のものが多くなっています。

 

 

 


プラスチック製の車輌もクオリティが高く、ぱっと見ではプラスチックには見えません。カラーは発色が良く、塗り分けもきちんとされていますのでチープさはありません。真鍮製やダイキャスト製と同じくパーツが細かく作られているところが美しさを際立たせています。価格は5万円前後となっています。プラスチック製にしては高い部類に入りますが、それも納得といえるでしょう。

 

 


ゲージについて
おもにHOゲージを主力としていますが、Zゲージ、Nゲージも取り扱っています。また、Nゲージと同じ線路幅で国鉄在来線の車輌がファインとなるTT-9ゲージ(1/120スケール)もあります


オメガセントラル鉄道
天賞堂の鉄道模型といえば、有名なのが「オメガセントラル鉄道」です。これは天賞堂が自社店舗に製作した販促用の鉄道模型レイアウトで、当時天賞堂がオメガブランドの時計を取り扱っていたことから、このように名付けられました。

 

第3次オメガセントラルについて

参考:TMS特集 楽しい鉄道模型①/摂津鉄道


1949年、銀座本店に第1次オメガセントラル鉄道が作られ、2000年の第5次オメガセントラル鉄道まで作られています。第5次はアメリカを代表するレイアウトビルダーであるデイビッド・フレアリーとボブ・ヘイデンによって製作されました。その製作費は7000万円とされており、製作過程は鉄道模型雑誌で紹介されています。これだけの大作なら、鉄道ファンでなくても見てみたくなりますね。


■まとめ
天賞堂はほかの製作物や鉄道模型の作品を見ていても、職人の細部までのこだわりがあり、鉄道模型を芸術的な観点で制作しているように思えます。だからこそほかの会社の製品にはない魅力を持った作品が作れるのかもしれません。ブラスモデルはなかなか高価ですが、いつかは手に入れてみたいものですね。

 

■鉄道模型のリサイクル

美しい天賞堂の鉄道模型、もし手放さざるを得ない状況になったら絶対に捨てずに、専門買取店へお声掛けください。相応のお買取額を提示いたします。

もちろん、お品物は大切にメンテナンスし次の持ち主へ受け渡します。