江別煉瓦全集 番外.JR岩見沢駅
先日、拓道館 に気になる記事が掲載されました。
JR岩見沢駅。
壁が煉瓦なのですが、明らかに小端空間積みなのです。
通常の積み方とは違い、煉瓦を“立てて”積む積み方。
立ててあるので、当然構造的には弱い。
表面に積むだけでは収まらない積み方のなので、表層材に使うにはロスが非常に多い。
長所は中空層による断熱効果だが、断熱材が一般的になった現在においてその長所は全くの無意味。
現代煉瓦建築において、ほぼあり得ない積み方なのです。
それを敢えて小端空間積みにした真意とはなにか?
非常に気になったので釣りバカの帰りに行って来ました・・・。
JR岩見沢駅
火事で焼失→プレハブとの流れを経て、新しくなった岩見沢駅に来ました。
新駅舎は設計コンペで選ばれたもの。
コンペに参加したマサジュらにとっては因縁の駅舎と言ったところでしょうか。
大きなガラス面の腰部分が煉瓦ですね。
見に行きましょう。
おお、
見事な小端空間積みですね。
現在廃れてしまった小端空間積みですので、こんなに真新しい壁って初めて見ましたよ。
野幌の煉瓦職人の息吹きが現代にも受け継がれました!
小端空間積みを考えたのは野幌の職人さんです。
そして真相は解明されました。
名前の刻印!
そういうことでしたか。
煉瓦には3種の面があります。
小端、長手、平手。
名前を刻印するなら一番広い面に刻印するのがデザインバランス的に良いでしょう。
広い面に刻印し、それを外装として使用するなら煉瓦を立てるよりほかに無いですね。
つまり必然的に小端空間積みになりますね。
さらにですよ、
刻印煉瓦で外壁を埋めるとして、普通に寝かして積むよりも立てて広くした方がトータルの枚数が少なくて済みますね。
デザイン的にもコストパフォーマンス的にも小端空間積みを選んだのは必然だったわけです。
いずれにせよ、施工業者と設計者が煉瓦の積み方のことをよく理解し、とてもセンスの良い選択をしたわけですね。
そしてそこにこだわった所が素晴らしい!
こんな積み方は施工業者泣かせだったハズです。
おそらく積んだ経験のないであろう積み方。
収まりが恐ろしく悪い積み方。
表層だけで収めるための仕様のパーツが特注以外に存在しない積み方。
ものすごく面倒だったはず。
岩見沢駅、素晴らしいです。
この壁だけで既に賞賛に値しますな。
他の部分も観てみましょうね。
内部のエスカレーターの横の壁も小端空間積みです。
ここまで小端空間積みにする必然はありません。
でも外壁を小端空間積みにしたので、全て小端空間積みでGOする心意気!
煉瓦マニアをも唸らせるこだわりの施工です。
これは素晴らしい。
煉瓦の積みで飾りを作るのはよくあります。
フランス積みなんかじゃよく見かけます。
でも小端空間積みじゃお目にかかれませんよ。
だって、小端空間積みでこれをやったら断熱効果が相殺されて、全く無意味だもの。
煉瓦を表層材として使用し、なおかつ小端空間積みにこだわったからこそ実現した珍しい飾り積み。
もう、これ一発で岩見沢駅は煉瓦建築界の殿堂入りを果たしたといっても過言ではないだろう。
おや?
このファサードの縦ラインはまさにレール。
レールが貼りついています。
かっこいいですな。
レール&煉瓦。
まさに岩見沢。
完璧なる岩見沢の顔。
すごいや、岩見沢駅。
ところで、この壁の横の収まり。
垂直じゃないんです。
斜めなんですよ。
ということは、角の部分が変形煉瓦なんです。
特注なのか?切り取って作ったのか?
いずれにせよ、ものすごく手間がかかってる施工ですね。
教科書通りに作らない言って言うのは手間がかかるものなんですよね。
わが野幌駅も現在新駅舎を建築準備中です。
なんか、予告されてるデザインの時点で岩見沢駅に完全に負けてる気がします。
煉瓦の使い方も地味。
それでいいのか煉瓦の街の顔!







