管理人さんにヌードモデルを辞めると緊張しながらも電話で伝えた。
「わかった」とだけの返事で、拍子抜けした。
もうこれで管理人さんに会うこともないとホッとしていた。
その日の夕方、スーパーのバイトから帰ると自宅前に管理人さんの車が止まっているのが見えた。
私はとっさに物陰に隠れた。
10分20分と時間が過ぎても車が動く気配がなかった。
どうしたらいいかわからなかった。
少し考えて、たかひろさんに連絡した。
初めての電話に緊張した。
電話口のたかひろさんはいつもと変わらない優しい口調だった。
状況を説明すると、今すぐに行くから待っててと言った。
迎えに来たたかひろさんの車に乗ると、たかひろさんは私の頭を撫で心配してくれてた。
そしてそのままドライブに連れていってくれた。
海の見える公園ではじめて手をつないで散歩をした。
「たかひろさんありがとう。すぐに来てくれてとても嬉しかったです。私どうしていいかわからなかったから」
「また何かあったら連絡して、すぐに行くから。しずかは俺の彼女なんだから甘えていいんだよ」
「ふふっ、なんか照れますね。たかひろさんは私の彼氏なんですもんね」
「あはは、そうだよ。かわいいこと言うね」
たかひろさんは私を抱きしめた。
抱きしめられドキドキした。
密着しすぎて心臓の鼓動が伝わりそうだった。
「しずか、キスしてもいい?」
「うん」
私は目をつぶった。
たかひろさんとはじめてのキス。
唇が触れた瞬間ゾクゾクっとした。
好きな人とのキスはこんなにも違うんだと感じた。
自宅に戻ると管理人さんの車はいなくなっていたので、そこでたかひろさんと別れた。
たかひろさんと別れたあともっと一緒にいたい、またすぐに会いたいと思った。
私にとって初めての感情だった。
