201_【くら寿司シリーズ】自動会計システムはどんな仕組みになっている? | 弁理士ブログ~日々知財日和~

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今回はくら寿司シリーズです!

前回の続き。

 

 

  回転寿司の会計といえば、店員さんがお皿を数えていた

 

回転寿司といえば、会計時にテーブルに積みあがったお皿を店員さんが数えに来てくれていましたよね。
くら寿司では、食べ終わったお皿を回収するシステムが各座席に設置されているので、

お皿を投入口に入れるタイミングでカウントされていて、
投入口にお皿が入らないメニューだけ、店員さんが確認に来てくれていた記憶が。

 

それがなんと、近年は完全自動になっています!
席に設置されているタブレットで会計金額の算出・確定を済ませ(セルフチェック機能)、

セルフレジで支払いするだけ。お会計工程に店員さんの介入がなくなりました。

 

これはいったい、どんな仕組みになっているのでしょう?

くら寿司の公開特許公報にいろいろ書いてあったので、読んでみましょう。
 

 

  飲食物のカウント方法は、主に3パターン

 

今回読んでみた公開特許公報はこちらです。

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公開番号:特開2022-012582

出願日:令和2年7月1日

出願人:くら寿司株式会社

ステータス:未審査請求

J-PlatPatリンク ←内容が見られます!

※本権利は現時点で権利化されていないため、請求項の内容は今後変わる可能性があります。
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この公開特許公報には、主に3パターンの会計金額の算出、つまり飲食物のカウント方法が書いてありました!

 

その①:タッチパネルディスプレイの注文情報を記憶

席のタッチパネルを介して注文した内容(注文情報)を蓄積していきます。


ちなみに座席にあるQRコードを読み込めば、自分のスマホからも注文が可能で、

もちろん注文履歴が残るので、会計金額の算出に使います。
 

これはシンプルな仕組みで、イメージしやすいですね!

しかし、これだけではレーンから取った分のお皿が集計できていませんね。

 

その②:レーンから取ったお皿をカウント

 

座席ごとに、レーンの上流側、下流側にカメラが配置されています。

2台のカメラがお皿を確認できたかどうかの組み合わせで、レーンからお皿が取られたかどうかを判断します。

具体的には、下記のように判断しています。

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・上流側通過時にカメラで確認できたお皿が蓋が閉じられており、下流側通過時にも蓋が閉じられているのを確認できた:お客さんはお皿を取らずそのまま

・上流側通過時にカメラで確認できたお皿が蓋が閉じられていたが、下流側通過時には蓋が蓋が空いていた:2台のカメラの間に位置する座席のお客さんがそのお皿を取った

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単にお皿が取られたかどうかだけでは、会計金額の算出ができませんね。
取ったお皿のメニュー(金額)の情報は、QRコードで読み取ることによって把握します。

QRコードが蓋についていて、蓋が開いた状態になると、カメラから読み取りやすい角度になるようになっています。

 

その③:投入装置によるお皿のカウント

最後に、投入口に投入されたお皿の枚数をカウントするシステムです。
投入口からつながるお皿の通路にセンサが備えられていて、お皿の通過を検知しています。

食べ終わったお皿を座席の投入口に投入すると、
投入口付近のセンサがお皿を検知して、検知した数を記憶していきます。

 

 

  3パターンのカウント方法を合わせ、会計金額を算出している

 

上で紹介した3種類の集計方法。
明細書には「①~③の情報をどのように用いてもよい」と明細書には記載されています。

たとえば、①(タブレットによる注文履歴から集計)+②(レーンから取った分を集計)
で合計金額を算出し、
③(投入口に投入されたお皿の枚数をカウント)の結果と一致するかどうかで合計金額を確定するのが一つのやり方として考えられますね。

実際、くら寿司でそのように合計金額を確定しているのかは分かりませんが、

参考文献として読んだ本には、以下のような情報がありました。

AIカメラで検出した、レーンから取ったお皿の数と、

タッチパネルで注文した商品を自動で合算。投入口に入れたお皿の数とも照合して、

ずれがなければお皿のカウントは完了。

お魚とお寿司のナイショ話(岡本浩之) より引用

 

特許出願公報の明細書の内容と、かなり近いアルゴリズムになっているようですね!

 

 

こうして入店・席案内から会計まで全てお客様がセルフでできる仕組みを作り出したくら寿司。
そしてその仕組みは、しっかりと特許出願されていました。
くら寿司に足を運んでみると、この「スマートくらプロジェクト」の秘密を体験できます!
この記事を読んで頂いた方は、次回くら寿司へ行くときは、より楽しめるかも?
ぜひ、いろんな仕掛けや工夫を確かめてみてください!

 

 

もっと知りたい人向け:出願時の請求項はどうなっているか

上記で紹介した、飲食量をカウントするための3つの方法は

特許出願時の請求項のうち、従属項にそれぞれ規定されています。

・請求項4:タッチパネルディスプレイによるカウントに相当

・請求項5:投入装置(皿回収システム)によるカウントに相当

・請求項6:レーンから取ったお皿をカメラで撮影してカウントに相当

 

現状の請求項1は、セルフチェックインシステムについて規定されている内容になっています。
チェックインから飲食量のカウントまでの一連の流れを自動で行う処理が、出願時の請求項では規定されているようですね。
請求項1:セルフチェックインシステムの内容に関する記事はこちら。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!
 

 

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