ジョンのお話 | 花めきや

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何気ない日常の中にある
ときめきや揺らめき✨
時に不思議な
体験などを綴っています☺️
" 生きている今を
精一杯楽しみたい!"
そんな想いを込めた
花めきブログ✨
ご縁を頂けたら嬉しいです!

おはようございます黄色い花


今日は 私が子供の頃 
よく一緒に遊んだ

ジョンのお話を 
したいと思います





ジョンと初めて 出逢ったのは


雨の中 捨てられていた所を

電気屋の娘きみちゃんが


拾って来た時でした










フサフサした 

ミルクティー色の毛


真っ黒で クリクリした瞳



お座りしていても 

お尻を軸に 体が回ってしまう程


しっぽを フリフリフリフリ・・ラブラブ



それはそれは 

とても 可愛い子犬でした








ジョンは かなり離れた

道の向こう側からでも 


目が合うと 


頭を下げ 上目遣いで

こちらに来ようとするのですが


しっぽを フリフリフリフリ・・ラブラブ


と 振りまくっているせいで

真っ直ぐに進めず バランスを崩し 



遂には 道路脇の溝に

左の後ろ足が

落ちたりしていました










時が経ち 桜満開のある春の日


ジョンは赤ちゃんを4匹産み

お母さんになりました



嬉しそうにしていましたが

赤ちゃん達は 間も無く 


いろんな人達に

貰われて行ってしまい



寂しくなったジョンの所には

近所の人達が 毎日遊びに来て


その度 しっぽをフリフリフリフリ・・ラブラブ



とても甘えていました









やがて 歳を重ねたジョンは


いつしか

病気になっていました



寝てばかりいる様になり

「ジョン」と呼んでも 


弱々しく ゆっくりと

しっぽを2回 振るだけで



ミルクティー色の 

フサフサしていた毛も


沢山 抜け落ちて行きました









そして ある朝



ジョンは 突然家を抜け出し


そのまま 

帰って来ませんでした



冬も近づき 寒くなっていて


少し 歩くだけでも 

しんどいはずなのに

いったい 何処へ行ったのかと


近所中の人達で 探しましたが



いくら呼んでも 

どれだけ探しても


とうとう ジョンは

見つかりませんでした




一緒にジョンを探していた

ラーメン屋の おばちゃんが


「ジョンは 死ぬ姿を見せたくなかったのよ」


・・・そうポツリと言いました








" 私なら 温かい毛布の中で死にたいな

 ・・・ジョンは寒くないのかな・・・"



それから 大人達が皆んな

いろんな所でジョンを想って

泣いていました



電気屋さんの 誰もいない事務所で・・

ラーメン屋さんの 厨房で・・


私はジョンの 小屋の前で

いつもジョンが寝ていた場所を


ずっと一人で 眺めていました








すぐに側に寄ってきては

しっぽを フリフリフリフリ・・ラブラブ



丸い瞳を クリクリさせて

フリフリフリフリ・・ラブラブ





雨の中 人に捨てられていたのに


ずっと 人を愛し続けた








そんな ジョンのお話でした虹