その 現場は
朝5時半から 勤務開始でした
いわゆる " 安全柵 " の
取り付け工事で
高さのある その場所から
通行人が
誤って落ちたりしないよう
警備員 数人が
ライン上に配置され
見守るというものでした
直立で 動きが殆どない
その現場での仕事は
人通りが 少ない時間帯ほど
時が過ぎるのが
とても 長く感じました
気さくな 班長が
話しかけて来てくれました
班長 " 花めきちゃん
家から ここまで
車でどのくらいかかるの
いくら 明け方で
道路が空いているとはいえ
50分くらいは かかる "
私 " はいっ そうですね "
班長 " 人手が 足りなくて
連勤になっちゃってるけど
体力的に大丈夫 "
私 " はいっ ありがとうございます "
班長 " なら良かった👍
オレなんて 最近
通勤途中の車の運転が 眠くてねー
気を抜くと 突然カクッって
意識なくなったりするから
今朝なんて 大きなトラックの
後ろについてたから
そのまま 前のトラックに
突っ込みそうになったよ(笑)"
私 " ええっ笑い事じゃないです
少し 休んだ方が良いですよ "
と そんな話をして
二日後
私もまた
強烈な " 睡魔 " に
襲われる事になります
でも 私のそれは
班長のものと
少し 違っていて
" ある場所 " に 立った時にだけ
おこりました
その場所は
配置ライン 中央より
後方にあるのですが
私が そこに行くと
ゆっくり ウトウトと
眠くなる・・ではなく
ふとした拍子に
何かに捕まったような
強烈な 睡魔に襲われ
一瞬 意識が
途切れそうになると
空を見上げるように
アゴが グッと上に上がり
そのまま 背中から
倒れそうになるのです
何度も 後ろにヨロける私に
見かねた 班長が走って来ました
班長 " ちょっとー大丈夫
ここから落ちたらヤバイよ
無理せず ちょっと休む "
私 " ・・すみません "
そのまま 早めの休憩をもらい
ゆっくり休んでから
数時間後 交代で
また そこの現場に立つと
また アゴがグッと上がり
後頭部から
転落しそうになりました
〜 ウソみたいな本当の話 睡魔②に続く〜