小さいけど!旬の広島牡蠣のお味噌汁 | お味噌汁復活委員会

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【お味噌汁】
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#お味噌汁復活ライター

皆水せい子

広島県出身/広島市在住


テーマ【グッと冷え込む日のお味噌汁】


2月も半分を過ぎました。近所ではいつの間にか梅の花が咲いていますが、寒がりなわたしはきょうも着ぶくれダルマです。


さて、暖冬だとの声もありますが、朝晩の冷え込みが辛い今日この頃。夕食は鍋になりがちです。しかし続くとさすがに飽きるので、鍋ではない日にはお味噌汁があると嬉しいですね。こんな寒い時期、皆さまはどんなお味噌汁を召し上がっていますか?


さてさてこちら広島では、牡蠣が旬でございます。今回のお味噌汁には、旬の牡蠣と大根や白菜など冬野菜を入れました。


広島の牡蠣は11月くらいから出回っており、1月の始め辺りまでは磯臭さが少なくお上品な味わいですが、そこを過ぎるとだんだん牡蠣は大きくなって、味も香りも強くなります。好き嫌いは分かれると思いますが、わたしは2~3月の牡蠣が最も好きなのです。


ところが今年は、いつまで経っても牡蠣が大きくならないとの声をよく聞きます。全体的に生育不良のようなんです。なぜそんなことに?


大きな理由は2つです。


1つ目は、瀬戸内海がきれいになり過ぎたこと。わたしが子どもの頃には、毎年のように瀬戸内海の赤潮のニュースが流れていたものです。人間が海に流した汚れがプランクトンを異常発生させ、海を赤く染めるのです。そこからいろんな所で瀬戸内海を綺麗にする活動がされたようで、そのうち赤潮のニュースは全くなくなりました。海が綺麗になったのは良いですが、そのせいでプランクトンも激減し、それを餌とする牡蠣、その他の海中生物も少なくなっていったのです。正に『水清ければ魚棲まず』です。


2つ目の理由は台風です。思い返してみればここ数年、台風がとても変なコースを辿ることが多くなりました。普通なら、熱帯低気圧になる前の勢力を落とした台風が山陰辺りから日本海に抜けます。その際に、瀬戸内海は台風によってちょうどよくかき回され、プランクトンなども牡蠣に餌として行き渡るそうなんです。ところが去年は変なコースの台風が多く、広島にはほとんど来ませんでした。おかげで海はかき回されず、牡蠣も養分が摂れなかったのです。


そういうことで例年よりは小さめの牡蠣。それでも買ってきた1袋の中から大きめのものを選って使いました。


暖冬やら豪雨やら猛暑やら新しいコースの台風やら、異常気象が続きますが、来シーズンは大きな牡蠣が食べられるといいな!!


【小さいけど!旬の広島牡蠣のお味噌汁】


だし⇒昆布、広島牡蠣

具材⇒広島牡蠣、大根、白菜、白ネギ、えのき茸、豆腐

味噌⇒白みそ

吸い口⇒白ネギの青い部分、柚子皮、唐辛子


※まず昆布でだしをとり、そのだしが沸騰したところで牡蠣を入れます。ぷっくり膨らんだとところで牡蠣は別皿にとって火が通り過ぎないようにします。具材を煮て味噌を溶かしたら牡蠣を戻し入れて火を止めます。火が通り過ぎると牡蠣は固く縮んでしまうのでご注意ください。


お味噌汁復活ライター

だしソムリエ

皆水せい子