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J Clin Oncol. 2014 Jan 10;32(2):129-60. doi: 10.1200/JCO.2013.53.7076. Epub 2013 Dec 10.
Clinical cancer advances 2013: annual report on progress against cancer from the american society of clinical oncology.
Patel JD, Krilov L, Adams S, Aghajanian C, Basch E, Brose MS, Carroll WL, de Lima M, Gilbert MR, Kris MG, Marshall JL, Masters GA, O'Day SJ, Polite B, Schwartz GK, Sharma S, Thompson I, Vogelzang NJ, Roth BJ.

年末恒例のClinical Cancer Advances 2013の消化器がんです。
2013年は、神経内分泌腫瘍、大腸癌、膵癌が選ばれており、神経内分泌腫瘍における進歩は、オクトレオチドLARが全生存期間を延長した話題です。神経内分泌細胞は、消化管に存在します。アメリカでは年間8000人見つかる腫瘍です。まず、2001年から2008年に、85人の患者でオクトレオチドとプラセボに割り当てた試験で、腫瘍の増悪までの期間延長が確認されました。2013年1月の報告では、プラセボで生存期間中央値84ヶ月、オクトレオチドは到達しないという結果です。この薬の恩恵を最も受けるのは、肝負荷が10%以下の患者でした。肝負荷の低い患者には恩恵があるようです。(スティーブ・ジョブスも治療を受けたのでしょうか?)
手術不能結腸直腸癌では、カペシタビンとベバシズマブによる維持療法が生存期間を延長することが示されました。オランダの研究者によるPhase3試験で、維持療法を行わない群との比較です。無治療の手術不能患者558人にCAPOX-B6サイクルが実施され、維持療法群と非維持療法群が比較されています。初回の腫瘍増悪まで、7.1ヶ月と4.1ヶ月、全生存期間は21.7か月と17.9ヶ月でした。カペシタビンとベバシズマブはスタンダードな維持療法になると記されています。(ただ、維持療法がスタンダードではないと思いますが・・・。)
大腸がん患者において、NRAS変異があるとパニツムマブの恩恵は得られない。パニツムマブは、KRAS遺伝子検査がルーティーンで行われ、変異のない患者に使われます。新しい結果では、NRASも効果に影響するという物です。パニツムマブ+FOLFOXのPhase3試験のレトロな解析で、KRAS,NRAS,BRAF遺伝子を解析した結果、NRASとKRAS遺伝子に変異のない患者群で、パニツムマブを追加した群、追加していない群、それぞれ、全生存期間中央値26ヶ月、20,2ヶ月、PFS中央値が10.1ヶ月、7.9ヶ月でした。しかしながら、変異があると15.6ヶ月、19.2ヶ月とパニツムマブを追加した方が悪い結果となります。大腸癌では約40%にKRAS変異、10%にNRAS変異があるそうです。(薬が効かない対象が事前にわかるというのはすごいことです。自分が患者なら、こういう治療を選びたいですね。)
転移性膵癌の大規模Phase3で新たなスタンダードな治療が見つかりました。膵癌は進行期で見つかると5年生存率が2%以下です。これまで、ゲムシタビンに追加することで生存期間延長を示したのは、エルロチニブかカペシタビンでした。861人の膵癌患者にnabパクリタキセル+ゲムシタビンかゲムシタビン単独治療を行いました。結果、奏功率23%、7%、全生存期間中央値が8.5ヶ月、6.7ヶ月、PFSが5.5ヶ月、3.7ヶ月でした。これにより、nabパクリタキセル+ゲムシタビンが新たな標準治療と示されました。
アジア人の膵癌で、術後にS-1を使用すると、再発抑制し、生存期間が延長されることが証明されました。これまで膵癌の術後は、ゲムシタビンでしたが、手術単独と比べ、数ヶ月程度の延命しかえられていませんでした。385人のステージ1~3の膵癌患者を対象にしたこのアジア人対象のPhase3の今年の暫定的な報告は、ゲムシタビンに比較し、S-1は生存期間を改善しました。この試験は日本が主導であり、術後にゲムシタビンかS-1のどちらかの治療を受ける物です。結果として、S-1はゲムシタビンに比べ、44%死亡リスクを下げました。2年生存率は70%、53%で、再発もS-1の方が少なく、無再発生存率も49%、29%でS-1が優れていました。S-1が進行膵癌の術後補助療法における標準的な治療として考えなければなりません。
日本やいくつかの国で、S-1は様々ながんに承認されていますが、FDAでは承認されていません。膵癌については、FDAも検討するべきでしょう。ただ、S-1は様々な試験で、ヨーロッパでは毒性が問題になっているので、低用量が必要です。(日本で開発された薬剤が世界的に注目されているのは、うれしくなります。)