読み終わりました~。
まず、率直な感想・・・
面白かった!!!!
今まで読んできたよしもとばななさんの作品の中で、個人的にダントツでストーリーが面白かったです。
主人公のつぐみのキャラクターに、惹きつけられました。
あんなに粗野で邪悪な(笑)言葉を使う人は大嫌いですが、この本の中ではそれだけじゃない、彼女の儚く、強い一面が現われていたので。
きっと、病弱でいるからこそあれだけの強い生命力を持ち続けていられるんだろうな、と思った。
物質で満たされているこの世の中、生きる気力が見出せない、無気力になる人がいるのは当たり前のことだと思う。
健康でいられることはとてもありがたいことですが、この幸福な時代に生まれてきたことが実はとても不幸なのかもしれない、と思う。
しょうがないから、生きてる。っていう感じ・・・ 分かる人、いるんじゃないかな
それ、あたしです。 (暗いなー)
・・・って話が逸れましたが。
読んでいくにつれて、つぐみが可愛くてしょうがなく思えました。
途中から、あの豪快さが心地よく感じられたしねぇ・・・。男らしい。
そして、あんなに傲慢で、自己中で、性格の悪いところを自分と重ね合わせていました(笑
最低だけど、憎めない。
きっと、ただひたすらに自分の体が持つ力を最大限に使って、『生きる』ことに専念しているからだろうな。
そして、周りのキャラクターが素晴らしく寛大。
まりあはつぐみの最大の理解者。
本当の自分を分かってくれる友人って、実はそんなにいないと思う。
これこそ、親友と呼べる関係なんだろうな。。
一番ハラハラしたシーンが、陽子ちゃんが泥まみれになって階段を昇ってくるところ。
まりあの意識が夢から現実に、ピントが合っていく瞬間からして、ドキドキしながら読んでた
つぐみは凄いことをするなー・・・って、気持ちが清々しかったけどね。
ケンゴロウは・・・この物語の中で唯一悲しい出来事だ。。
この物語に一貫して流れる夏の雰囲気とか、海辺の街の風、匂い、光とかが自分の『海』の記憶から呼び覚まされたように甦ってきて、すっごく海が恋しくなりました。
解説文に載っていたばななさんのインタヴューが印象的でした。
『人生には否定的、だからせめて小説の中ではハッピーエンドにしたい。』
この言葉。まぁ、ズンとくる言葉を生み出すひとなので、そんな気はしてましたが・・・。
上に書いたように、しょうがないから生きてる自分と重ね合わせてしまいましたよねwww
そして、多くの人が彼女の小説を『優しさ』が包んでいる、という風に表現していることに、
私は逆に驚きました
彼女の小説は、そんな生易しいもんじゃない・・・
もっと暗くて、深いところにある神秘的なもの、怖いもの。だと私は思うので。
殴り書きの感想ですみません。
もう行かなくては・・・
では、皆様おやすみなさい
Phoebe