日本での自分の成功を捨てて、ゼロからスタートする決心 | Olive Twigs

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日本にいても、世界のどこにいても、自分を生きる

 

渡辺直美さんがBBCのインタビューに応えておられるビデオを、最近拝見しました。アメリカのニューヨークに拠点を設けられてから3年ほど経つとか。全くの新天地で、しかも人生や仕事の経験もそれなりに重ねた30代半ばで渡り、本当によく頑張っているなと思いました。

日本のタレントや歌手や芸術家などが、海外での成功を願って渡りますが、もちろん言語の違いや文化の中で揉まれることは言うまでもないですが、何よりも大きな壁は、日本でそれまで一生懸命築いた成功や功績はほとんど誰も全く知りもせず、理解もせず、たとえ説明してもその価値も理解されず、評価もされず、何もかもゼロからやり直さなければいけないという現実に直面することではないかと思うのです。それを逃れるための、特別待遇や、バックステージパスみたいなものは、ほぼ何もありません。

タレントとか歌手だとか、エンターテインメントの世界で仕事をする人に限らず、どんな分野でも、それなりに日本で成功していた状態を、そのままあちらでも認められるはずだとか、同じ成功をあっという間に実現できて当然だと思ってしまうと、残念ながらとても惨めな気持ちにしかならないだろうと、自分の様々な場面での体験からも、わかります。

BBC側の女性からのいくつもの質問に対して、渡辺さんが答えているのを聞いていましたが、彼女の芸風からくる答えについてはここでは別に置きますが、彼女がとても強いなと感心したのは、周りが自分をどういう基準で自分を評価するかに基本的にとらわれておらず、自分がどういうものであり、どんな強みを持っていて、何が自分の特質であるのか、何を提供できるのか、何をしたいのか、自分で自分を定義づけられていて、それを軸にして歩んでいるということでした。

他の人がどう思うか、自分をどう評価するか、ということを、とことん自分から追い出すことにdeterminationすら伝わってきます。「他の人がどう思うかはその人の持つ考えだったり意見であるから、自分はそれを変えようとは思わない」という意味のことを、彼女はコメントしています。

自分が良さを信じて、表現しようとするものや、それに対しての自分自身での評価することと、他の人が信じる良さや価値を感じて評価することを、同じ土台の上で比べていません。それは、それぞれを全く別の意味や価値あるものとして捉えている、ということにつながっていると思います。

自分が自国で築き上げたものというのは、他の国に行くとそれがそのまま同じようには受け取られないで、むしろ全然意味や価値を認識されないというのがほとんどだと思います。そういう環境で長年生活すると、まるで身ぐるみ剥がされたような気分になって、場合によっては自暴自棄になっても当然だと思います。でも、そういうリスクを取って、アメリカに渡って、ゼロからスタートする覚悟、潔さ、謙虚さ、タフさなど、素晴らしいなと思いました。たくさんチャレンジを受けることと思いますが、自分の価値を、勝手なプライドやエゴではなく、むしろ謙虚な気持ちで自分で決めて、信じていくことは、そういうなんのクッションやブランケットの期待できない環境の中で、最終的に自分の道を開いていく本当の力になると思います。

そういう言い訳しない、謙虚な、タフな心で、海外に渡って自分を試す人が増えてほしいなと思いますし、そうでなく日本にいても、今の環境の中で、自分をごまかさないで、正直に、謙虚に、まっすぐに生きる心の人が増えていくといいな、とも思います。