冬の詩四篇・・八木重吉 | ただ、過ぎに過ぐるもの
≪冬の朝≫
雲はひとつも無く
空やけが
うすく野末をめぐり
冬の朝にはおのずと頭が下がる

≪昼の月≫
冬の青い空に
半分の月がかかっている
風に吹かれて今にも落ちそうだ
しかしよく見れば
その月の何という白さ力強さ

≪冬≫
冬は夜になると凄い
けれどこの気持ちのまんなかに
きっとあかるいものが小さくともっている

≪冬≫
冬のうっすらした気持ちに触われば
一途な安らかなちからが分かるだろう

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おさなごのような心

澄み切ったおもい
そういうものを私は持ちたい
そういう心で私は生きたい
八木重吉の心を映したい