ミステリーじゃないのに二転三転する面白さ~舞城王太郎「されど私の可愛い檸檬」感想~ | oliveのドラマ帳~風に吹かれて~

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朝ドラ「スカーレット」から、連続ドラマの感想を、
ひと味加えて、自分味に料理します。
ゆるりとご試食くださいませ♪

ミステリーで二転三転する面白い作品は多数あるのだが、
人間ドラマで二転三転する面白い作品はドラマ「アンナチュラル」以来かも。
舞城王太郎 「されど私の可愛い檸檬」

 

 

舞城王太郎が描く「家族」の愛、不思議、不条理。
姉の棚子は完全無欠。その正しさは伝染するようで、周りもみんないい人ばかり。でもそれって怖くない? 幸福の陰に潜む狂気を描く。「トロフィーワイフ」 妻からの突然の告白に僕は右往左往。幼い娘、無神経な義母、存在感の薄い義父。小さな家族の形が揺らぎだす。「ドナドナ不要論」 「やりたい」仕事ははっきりしてる。だけど何故かうまく「できない」。だって選ぶのって苦しいじゃないか?「されど私の可愛い檸檬」
問答無用で「大切」な家族との、厄介で愛おしいつながりを、引き受け生きる僕らの小説集。

 

 

舞城王太郎さん作品、はじめて読みました。
ポップで韻を踏むような文体が癖になる。
軽く見えて軽くない。
数学的でいて哲学的な匂いがたまらなかったです。

読了後、どんな方なのさ。調べてみると・・・

覆面作家さんなのね。
三島由紀夫賞の授賞式にも欠席した。同賞の受賞者で式典に欠席したのは舞城がはじめてである(ウィキさんより)
マジ!!何?作戦?
なにさーーー、ご本人自身にもますます興味を持ったじゃないの。

さて、「されど私の可愛い檸檬」には、三つの短編が収められているのですが、
今回は「トロフィーワイフ」について語りたいと思います。


トロフィーワイフとは、
 男性が、勝者の徴(トロフィ)として獲得する妻。自分の社会的地位を誇示するため、誰もが羨むような若くて美しく妻を迎えること。


何、プロ彼女の話なの?
 

プロ彼女とは、
芸能人・スポーツ選手とばかり付き合う一般女性。容姿は端麗」「本人は芸能活動を昔やっていたが、名前を検索しても見つからない程度。あるいはやっていない」「ブログやSNSも見つからない。自己主張をほとんどしていない」

トロフィー男を獲得するまでの右往左往する物語なのかと思っていたら違ってた。

ざっくりあらすじ。
美人で優しくて完璧な姉を持つ妹。だが、妹はある時期をから完璧な姉に違和感を持ち姉の真似をするのをやめる。トロフィーワイフとなった姉が夫のひとことで離婚すると家出し友達の家に居候生活。
姉を居候先から取り戻すまでを妹目線で描いている。

完璧の姉を持つ妹の越えられない壁への苦悩話か?
最近読んだマンガ 藤本タツキ 「妹の姉」


ridiaさんが紹介されていて、面白そう!

詳しい内容は↑をクリックして読んでね。

ググったら少年ジャンプ+で読めた。ラッキー♪

 

美術高校に通う姉と妹。
妹は姉の背中を見ていたのに、いつの間にか姉を追い越した妹。


 妹は特待生で学校に入った。それから妹とは話さなくなった。

妹の才能に嫉妬し、この日を境に姉をやめてしまったのだが、
ある日、先生との会話で気づく。妹は妹。
姉として妹に背中を見せてやろうじゃないの!
妹が姉のヌードを描いて金賞受賞返しに、姉が妹のヌードを描く。
妹の姉にもどるまでが描かれていた。
微妙な姉妹関係が哲学的に描かれた漫画でしたわ。

そっち方面なんか?と思っていたのだが、それもあるのが本質は違うようだ。

 

姉を崇拝している友達の家から姉を連れ戻すことを決めた妹。

姉は、自分を気持ちよくさせるために人を導く術に長けている。
友達の家は介護と育児が必要で、他人なんて受け入れる状態じゃないのに、
姉は拒否されるどころか感謝されている。
姉のおかげだと口にする家族たちの気持ち悪さったらないわーーー!

人は影響されやすい生き物だ。
影響されたり影響したりし成長もする。
だが、一歩間違えれば毒にもなる。


「正しい」が一歩間違えれば気持ち悪るくなることに似ているのかも。
昨今は、正しいことを主張するあまり、正しさが歪にも思えてくる。


正しいって何さ?を問うた作品なのか?


千早茜 「正しい女たち」

 

 


ヤバい話には蜜の味がする。
正しいを主張するあまり、正しいが気持ち悪いものに思えてくる。
ドキッとする。ドキドキじゃなくて、ドキっとする。
期待に驚き狼狽、動揺、嫉妬に優越感に焦燥感という数々のドキっとする自分が考える正しさに問いかけるお話でした。


正しさが間違えれば気持ち悪くなるを問ういているのか?

えっ?それもだけど違うの・・・

 

 

果たしてこのあとどう転ぶのか?

私が辿り着いた答えはシミルボン左差しで書いていますので、

よろしければ読んでください。

 

↓をクリックするとサイトに飛びます。

 

 

 

 

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