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ブログは、高齢出産・中期中絶について触れています。

不快に感じる方は、閲覧をお控えください。

 

タイムリミットを抱えながら、大きな決断を迫られる方に、

個人的な体験談としてお読みいただければ幸いです。

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中期中絶(15w)入院の<DAY2>は

中絶のための「出産」が行われます。

 

●基本情報把握(血圧・体重・体温など)

●出産着に着替え

●点滴用のルート確保

●ラミナリアを子宮から取り出す処置

●陣痛促進剤投与(錠剤・3時間おき)

●分娩室にて出産

●対面とお別れ

●就寝

 

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DAY2は3回に分けて綴ります。

今回「その3」では、出産(分娩)後 の内容です。

 

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→よろしければ、 <DAY2>その1 その2 を先にお読みください

 

●出産(分娩)後

助産師さんたちは、その後の片付けなどに追われる。

急な変容がないか、分娩室で約3時間の待機。

 

分娩室には、私と手元に残された赤ちゃん。

「お写真撮りましょうか?」

と聞かれる。

流石に、後々残るものは控えたい。

しかも写真なんて。。。

 

・・・と思っていたのだが、

無性にこの手元にいる子供との写真を撮りたくなる。

控えめに写真を撮り始めると、

看護師さんが私のスマホで撮ってくれると言う。

 

わたした。

 

二人の写真。その後、産院のカメラでも撮り、

写真の現像までしてくれた。

 

光に照らされて、テカテカの赤ちゃんが

ピントがあまり合っていない状態で現像された。

 

ツーショット写真はピントは合っていたものの、

自分の顔が見事に疲れ果てていた。

 

●胎盤の確認

私が興味を持ったので、

方向や膜など色々教えてくれた。

 

素人には差異はわからず。

 

●カンガルーケア

産後、産まれたばかりの赤ちゃんを抱くことを

カンガルーケアと言うことは知っていたが、

このお別れする赤ちゃんを抱くのもカンガルーケアと言うのか。。。

余計に別れが辛くなりそうでしかない。

 

40分くらいだっこした後、

体重身長を測る。これも写真を撮ってくれた。

後々は、スマホのデータは消して、

先ほどのこの現像だけ手元に残すのかな?

 

複雑な心境ではあるが、

思考が追いつかない。

 

身長体重を測った後、

「また抱っこしますか?」と聞かれたが、断る。

「いつでも呼んでくださいね」

「今夜、部屋で寝るもOK」と言ってくれる。

 

母体保護法が適応されている病院だし、

たくさんの赤ちゃんが生まれる病院。

だから、助産師さんの発言がこんな感じなのかな?

 

私は中絶を自ら選択した人なのに、

産みたくても産めなかった人、のように

接してくる。

そこに、救われもするし、かなりの戸惑いもある。

でもなんだか流れに任せている。

 

●陣痛計

そういえば結局一度も使わなかった。

前回の産院ではかなり頻度高く使っていたのに。

 

その代わり、手でハリを確認していた助産師。

陣痛計があるときは、ハリが触れて、

みんなでキタキターって言ってたお産だったので、違いが。

 

でも、脚の開きや息の吸い方呼吸で捉えようとしてくれてし、

こちらもわかりやすく「きたー」とか「引いた」とか伝えようとした。

 

●棺

先ほど再度の抱っこを断ったので、

棺に入れるようだ。

 

これは、入院前から

「エンジェルボックス」と言われ説明を受けたので、

思っていたほどの心への打撃はなかった。

 

購入の提案されたのはSサイズ。

サイズ感を判断する気はないので、任せた。

中には、お布団も用意されていた。

裸で入れられるのかな?と心配していたので、よかった。

 

お布団には小さなお花の飾り。

納棺してくれ、連れてきてくれた。

 

今度は顔だけが見える。

柔らかいので、さっき抱いた時より少し歪んでいて、

ちょいちょい触ってみたけど、顎の位置がずれている。

でも柔らかい目をしていた。気がする。

 

頭が大きい。助産師さんが肩も立派だと言っていた。

男の子の象徴の部分があるかも、とわいわいやった。

なぜか、ワイワイ。

ここに贈り物を入れる。折り紙おりますか?と聞かれたので

「ハイ」と答えた。

 

積み木のおもちゃや小さいぬいぐるみを

家から持参していたが、

いかに小さいおもちゃでも、

「この人の身体に乗せたら重そうかも」

と思い、折り紙で折るのが一番正解な気が、この時した。

 

●食事

実は、ずっとお腹が空いていた。

夕飯食べられますか?と聞かれて、「はい」、と答える。

 

分娩台に夕食が運ばれてくる。

隣には赤ちゃんの棺。

 

もう、よくわからない状況。

棺に向かって、「いただきますね」と言いながら

もはや何も残っていない胃に気遣い

よく噛んで食べた。

 

お昼はスルーされていたので、朝ぶりの食事。

そして、明日に向けて21時以降は絶食となる。

 

●トイレ

尿意がなくなる人も。

時間を決めて、看護師が分娩室内のトイレに同行。

私は尿意を感じたので、呼び出してトイレ。

部屋に戻った後も、1回目のトイレは、呼び出し同行トイレ。

 

●棺の中の赤ちゃん

一緒にいたい気持ちと、

身体が悪くならぬよう、冷やしてあげたい気持ちと…。

 

夫と受け取りに来る時に原型を留めてあげたい。

だから、これ以上そばにいるのはどうなのか・・・。

 

●産んでみて

産んだ後「スッキリした」と言うのが正直な想い。

 

キズも痛みも出産とはレベル違い。

 

「育ててあげられなくてごめんね、

でも、ママのところに来てくれてありがとう」そんな感情。

 

しかし、

2時間ほど経過すると、自律神経やホルモンの影響か、

感情が一変する。涙が湧き出てくる。

 

「ああ、この子は甘えん坊で、

一生懸命わたしの所を選んできてくれて、

 

私と少しでも長く一緒にいたかったからこそ、

脚や腰を食いしばっていたのではないか?

 

一緒にいたかったメッセージを

最後まで伝えたかったのではないか。

 

それでも最後は、

自分勝手な私の体を気遣って、

今日ギリギリに産まれる

と言う選択をしてくれたのではないか?」

 

そんな風に思えてひたすら泣けた。