海牛(カイギュウ)。
現在、カイギュウ類には
海域のみ生息するジュゴン
と
海または淡水域に生息するマナティー
がいる。
水中に進出した哺乳類としてはめずらしく植物食で
アマモやウミヒルモなどの「海草」を食べるという
「海草」といってもコンブやワカメなどの「海藻」ではない。
海草とはもともと地上に生えていた草が水中に適応した
海域に成育する種子植物である。
ジュゴンはほぼこの海草しか食べない偏食家だ!
そのためか
ジュゴンはアマモなどの海草類が分布する暖かい地域の浅海に
生息域が限られているのだ。
淡水域に生息するマナティーの主食は「水草」だ
やはりこれも高等植物でありながら、二次的に水中生活をするようになった植物だ。
ジュゴンもマナティーもその生息域からわかるように
暖かい水域にのみ生息している
これはエサとして得られる海草や水草の量によるものなのだろう。
食べる量も半端ではなく
寝ている時間を除く大半の時間は食事に費やすという
いわば、食っちゃ寝の生活で、
これといった天敵も運良くいないために能天気な生活をしているという
ジュゴンやマナティーは暖かい水域を好むが
近年では火力発電所の排水に群がるマナティーも観測されているという
グーグルマップにも
その様子が実際に映っている!
コチラ↓
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&ie=UTF8&ll=26.764,-80.050313&spn=0.00102,0.001773&t=h&z=19
排水だろうが気にしない
かなりの温水好きであることが伺える。
しかし!
昔には
寒冷な海域にも生活の場を広げたカイギュウ類が
いたという!
ジュゴンの仲間から派生したカイギュウで
ステラーダイカイギュウ
などのダイカイギュウ類だ!
寒冷適応のためか、体のサイズは大きくなり、
かなりの脂肪量を蓄えた体つきになっている。
脂肪分の多い体にくわえ
体内には食べた海藻の発酵ガスにより
比重が軽くなりすぎて
海を潜ることができず、常に海面に背中をのぞかせたという!
暖かい海に生息していたカイギュウ類が
あえて寒冷な海に生活の場を移したのは
世界の寒冷化が進み氷河期の時代が訪れるようになると
海草の分布域である暖海が狭まったからだ
そして
コンブなどの海藻が増えたため、
海草から海藻へと食性をシフトさせたのだ
海藻は寒冷な海域にもあるので
寒冷な海域に進出したわけだ。
しかし
氷河期も終焉の時、この頃の気候の変化で
マンモスが絶滅したように
ダイカイギュウ類も同じくして
ステラーダイカイギュウを除く種は
有史以前に絶滅している。
最後のダイカイギュウ類のステラーダイカイギュウは
人間の乱獲により
1768年が最後の記録となったという。
ステラーダイカイギュウの絶滅については
当ブログの過去記事
→「ベーリング海の悲劇」
暖かい水域にこだわり続けたジュゴンとマナティーが
生き残った結果となった。
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