この季節になると皆さん桜、桜 と盛り上がっているようですが
足元から聴こえてくる ”春の足音” にもどうか気づいて!!
・・・なんて代弁者ではないですけれど
カタクリ (かたかご) です。
カタクリ ・・・? そうです! 片栗粉の ”カタクリ” です。
今の世の中、何でも代用品(~もどき)が横行している世の中ですが
本来はこの ”カタクリ” から採ったでんぷんが ”片栗粉” なのです。
他にも ”わらび餅” (わらび根でんぷん) ”くず餅” (くず粉)
なんかも本物を使った物には 滅多にはお目にかかれません。
ほとんどが代用品(~もどき)です。
カタクリ (かたかご)・・ はずかしがりやさんなのでしょうか? 下を向いてしまって!
・・・そんな姿がとても愛らしく花言葉にふさわしい!
春を告げる花 山野草の女王とも言われる
花言葉・・ 初恋・嫉妬・情熱
物部(もののふ)の 八十娘子(やそおとめ)らが 汲み乱(まが)ふ
寺井の上の 堅香子(かたかご)の花
万葉集 巻十九 4143 大伴家持
物部・・ 武士・侍
八十・・ 数多く
寺井・・ お寺の井戸
上・・ ほとり・付近
大勢の娘たちが水を汲んでいるが
井戸の傍らに咲くかたかごの花の何と美しいことよ・・

若い木霊(こだま) 宮沢賢治 作より
その窪地はふくふくした苔に覆われ 所々やさしいかたくりの花が咲いていました。
若い木霊には その うすむらさきの 立派な花はふらふら うすぐろく ひらめくだけで
はっきり見えませんでした。
却ってそのつやつやした緑色の葉の上に せわしく あらわれては又消えて行く
紫色の あやしい文字を読みました。
「はるだ、はるだ、はるの日がきた、」
字は一つずつ生きて 息をついて 消えては あらわれ、あらわれては 又消えました。
「はるだ、はるだ、はるの日がきた、」・・・
珍しい白いカタクリも見れました

傍らでは・・ 殻を脱ぎ捨て立ち上がるドングリの双葉の姿
木々たちも芽吹き始めていました。
近所に群生地がいくつかあって、そこを ”はしご” するのが毎年恒例になっています。
種はアリが運び、発芽から九年目にして花が咲くのだそうです。
毎年の事ですがカタクリを見ると、「春が来たなぁー」 と感じます。