民話の世界・・・    (日本って いいな!!) | たーさんのブログ

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動物大好き!


21日(土)・・・

日本民家園のお話会に行きました。

民家園は中学生の頃より度々訪れている馴染み深い所です。

東京生まれ東京育ちの自分にとって民家園はとても魅力的な場所でした。

(日本民家園・・・   川崎市多摩区の生田緑地の丘陵地に日本各地の民家を移築保存)

 中高生の頃はよく自転車で行った覚えがあります。

 最近はご無沙汰ぎみで ?   久々の民家園なのでした。

 

 

 

 

 

 


                       

 

 

 

 

 

 

 


         囲炉裏の煙で燻される

 

 

 

                        

 

      くねくねと曲がった松の木が見事に組まれている
 

 

 

 

 

 


 水がめ  流し  無双連子(むそうれんじ)窓

 

 

  昔の流しはどこでもこんなものでした

 

 

 

 


                                                                     
                 民家の南側にはどの家にも 「えんがわ」 がありました

 

                                                      

 

 

 

 


 

 

  斜光に浮かび上がる味わい深い土壁の表情

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                          最近まで生活に必要な物は自らの手で創りだしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


   *            *             *






    

 会場の工藤家は築300年を越える岩手県紫波郡にあった伝統的曲り屋で

 後から馬屋部分を付け足した曲り屋が数多い中

 当初より大きな馬屋を備えた造りで 珍しいとの事。 (国指定重要文化財)

 ここに住んでいた方(工藤そのさん)は満106才でご健在だそうです。

 

 

       正面が馬屋      右手が住居

 

 

 

 

 

 

 


        

 語りべの大平悦子さんは 「民話のふる里 遠野」 で代々暮らしてきた方で 

 民話を探して各地を訪ね歩くという貴重な伝承者の方です。
          

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今日は四つのお話をして下さいました。

どれも話の始まりと終わりの言葉はだいたい決まっています・・・

                  
むかーし  あったずもな ・ ・   

       ・  ・  ・  ・

          ・  ・  ・  ・

            どんど  はれ ・ ・      (おしまい?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   道端の石仏

 

 

 

 

 


          

①かっぱの手紙


 馬方が荷物を頼まれ(かっぱとは知らず)渡された手紙を見てしまい

 その内容に 「ぎょっ」 とするおどろおどろしい話。



 一般的にかっぱの色は「青」とか「緑」と思われているようですが

 遠野のかっぱは昔から「赤」色なのだそうです。
 (柳田國男 遠野物語の中でも赤色に描かれているという)

 これは昔、食料事情が厳しい時代 望まれない子や栄養失調による

 奇形児を川に流すという事があった (今の時代には信じられないが

 口減らしが行われていた) からではないか? と、お話の後 大平悦子さんは

 語っておられました。




 東北地方の太平洋側では米が受粉する時期に海からの湿った冷たい風

 「やませ」 が吹くと米が実を結ばず たびたび飢饉に襲われたという。

 今では品種改良も進んでいるというが、その代わり雑穀(あわ・ひえ・きびなど)の生産高は

 47都道府県中 岩手県がダントツの一位という事実が物語っているように 

 雑穀の栽培の歴史は古い。(二戸地方・花巻地方)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


②笛吹峠(ふえふきとうげ)

 
 親に言われた訳でもないのに年端かも行かぬ子が「おっかーの荷を軽くしてあげたい」

 一心で奉公に出た。

 奉公先でも驚くような働きぶりで、大好きな笛一本買って大晦日に家に帰ることになった。

 ところがその日は大雪で、奉公先でも今日はやめとけと言われたが「おっかーに会いたい」

 一心で雪道を一人で歩き出した。

 ちょうど峠にさしかかったあたりで穴の様な所に嵌ってしまった。

 もがいてももがいても抜け出すことはできず、「はっ」 と笛を持っている事を

 思い出し一生懸命吹くが、ここは田舎の山道・・・  

 めったに人が通る事などあるはずもない・・・




 それからというもの この峠道を通るとき寂しげな笛の音が聴こえて来るという・・・ 

 笛吹峠の名の由来。                        




 じつはこのお話は実話でその墓石も実在するという。

 その事もお話下さいましたが、大平さんが知り合いの方に話したところ

 その方の知人がピンと来たという。  50年前の新聞記事で見たという、うそのような

 本当の話。  それがきっかけとなり山中の草むらの中に墓石を発見する。

 嘉永6年(1853年) 12歳と刻まれていた。 (写真を見せて頂きました)

 今、流行りの○○遺産とか、普通の人ができない事を成し遂げた

 とかではないけれど 普通の少女の一途なけなげさが人の心を打つ。

 当時の人間に石に刻ませ残り、話伝えて50年たっても忘れさせず

 現代(2013)にまで伝わっている・・・      人の想いは時を越えて伝わる!!



 草ぼうぼうの中のただの石ころだけれども 名も知れぬ人の 「事実」 に心奪われた。

 

 

 




             ゆずり葉
             新芽が成長してから古い葉が譲るように
             落ちてゆく事からのこの名

 

 

                年を譲って新しい年に・・・
                新年の飾り物に

 

 

 

 

 

 

 


③お歳神さま(おとしかみさま)


 昔は12月31日を過ぎると皆一つ歳を取ったという。

 大晦日にはお歳神様が各家を回って「この家は5人だから5つ」

 というように歳を配って回ったという。

 或るところにどうしても歳を取りたくない40位の男が何とか免れようと

 畑のでーごん穴(大根穴)に隠れた。 (大根穴 ・ ・ 地面に穴を掘った冬場の野菜貯蔵庫)

 歳を配るのに面倒くさくなったお歳神様も神様 ・ ・

 だれにも気づかれぬ様 まとめてでーごん穴に捨てていった。
  

 さてさて  ・  ・  







    *           *          *      






  
   「民話」 には笑いあり 戒めありで人々の知恵が詰まった

   誰にでも分かり易い教えでもあると感じました。







      みなさんの集まる少し前の囲炉裏端

 

                  




          寒さに 「シーン」 と静まりかえる空気 ・ ・

          パチパチはねる音だけが響く囲炉裏を囲んで

          語りべの温いお国訛りの語り口調に

          知らず知らず民話の世界に引き込まれて行く ・ ・

   

 

 

                              

                         

 

 

     
           「寒~い」この季節ですが 民話の世界に浸り 

           「ほっこり」 心温まるひとときでした ・ ・




                          どんど はれ!
                                             



 

 

六地蔵