初めてのカンガルーケア
出生体重がたった990gだった私の赤ちゃん。
最近の体重測定では1240g。
体重は順調に増えて来ており、見た目も少し赤ちゃんらしくぽっちゃりしてきました。(特にほっぺたと脚)
1週間程は名無しのごんべえでしたが、Walter(ウォルター)という名前を付けました。
かなり古い英語名です。
Walterとは、Strong Fighterという意味。
新生児集中治療室でたくましく強くあって欲しいという私達の想いから名付けました。
Walterのように、超未熟児の場合、コット(ベッド)が湿気システムのあるもので、最低でも2~3週間はコットから外に出る事が出来ません。もちろん、抱っこなんて出来ません。
出産直後、我が子を胸に抱く事も、我が子の香りを嗅ぐ事も、ぬくもりを感じることも出来なかった私。
産後は、空っぽになったお腹を感じ、我が子が直ぐ近くにいないことに、悲しく感じました。なんだか、我が子を奪われたような、何とも言えない感じでした。
出産直後のカンガルーケアは親子の絆を築く大切な瞬間です。
お母さんが愛情ホルモンであるオキシトシンを最大に出す瞬間でもあり、赤ちゃんがお母さんの顔を見て、お母さんの香りを嗅ぎ、お母さんを認識する瞬間でもあります。
早くカンガルーケアをしたい!
失った機会を取り戻したい!
そんな想いを抱きながら、毎日待ちました。
カンガルーケアは出来ないけど、毎日Walterの側に居て、声をかけたり、頭や足に手を置いたり。(超未熟児の赤ちゃんの場合、撫でられるのは刺激が強過ぎます。)
そして、待った甲斐があり、最近やっとコットから外に出る事が出来(時間制限あり)、初めて、カンガルーケアをしました。
やっと肌と肌とのコンタクトが取れる、カンガルーケア。
感動して泣いてしまうかなぁ~、なんて思っていましたが...
いざ、してみると...
あれ?顔が見えない。
チューブやケーブルが多過ぎて、肌を感じるより、チューブやケーブルを感じてしまい、しばらく経つと、ケーブル等が肌に当って痛い。
胸も直に張ってきて、痛い。
感動、というより、忍耐勝負?
でも、Walterは私の胸で幸せそうによく眠ってくれます。
ケーブル等で’痛くても、胸が張って痛くても(搾乳しないといけない)我慢して、なんとか出来るだけ長くカンガルーケアをしました。
時間制限がきて、ナースがWalterが取り上げると、Walterはめちゃくちゃ泣き、やっぱり、お母さんのぬくもりが良いのだね...と実感&感動。
でも、やっと搾乳出来る~!という開放感も...(着ていたガウンは既に濡れています。)
カンガルーケアをする直前に搾乳していても、やっぱりカンガルーケア中にオキシトシンが沢山出るのですね。だから、胸が張ってくるのも早いし、その後の母乳の量も凄いです。
というふうに、初めてのカンガルーケアは、お母さんはちょっと冷めていましたが(ごめんよ~)、毎日することで、私もカンガルーケアを楽しめるようになってきています。
そして、以前よりも、「私の赤ちゃん!!」と実感出来るようになってきています。
以前は、頭では自分の赤ちゃんだ、とは認識していましたが、体ではあまり実感していなかったような感じがしますね。
最近は、カンガルーケア中は、Walterの頭の臭いを嗅いだり、歌を歌ってあげたり、Walterの手を乳首に当てたり、鏡を使ってWalterの顔が見れるようにしたりして、私もエンジョイ出来るようにしました。時々、気持ち良くて私もウトウトしてしまうことも。
カンガルーケアの利点は沢山あるのですが、時に注目したい点は...
赤ちゃんの体温が正常の体温に調整される。
赤ちゃんの呼吸が正常に調整される。
赤ちゃんの心拍数が正常に調整される。
親子の絆が深くなる。
等々、未熟児の赤ちゃんにとっては非常に大切なものですね。
これから毎日カンガルーケアをして、親子の絆を深めていきたいと思います。