覚悟していた早産 | ドゥーラのりこ

ドゥーラのりこ

オーストラリア在住のお産サポーター(ドゥーラ)、ヒプノバーシング™講師、マッサージセラピストです。
妊娠、お産、育児、健康、環境、ホームスクーリングに関しての色々な情報や考えをシェアしています。

前回のマタニティー日記の続きです。

その後、毎晩、5分毎の陣痛が来るようになり、(頭では、陣痛だとは認めませんでしたが...)前回と同じように、ハーブとホメオパシーで、陣痛を少しの間止めたりしてなんとか数日間ねばりました。

「お産を進ませない」事もやりました。

お産を進みにくくする方法は...

● 寝る時は、部屋の電気を付けたままにする。(暗いと脳にメラトニンが出やすい。メラトニンはお産を進めます。)

● 昼間はあまり日光に当り過ぎない。(沢山日光に当ると、夜に大量のメラトニンが出ます。)

● 一人にならない。(お産は、人数が少なければ少ない程進みが早いです。特に夜。私は夜中に頻繁に助産師さんを呼んだり、わざと廊下に出たりしました。誰かに見られている、と感じる事が重要。)

● パナドール(鎮痛剤)を4~6時間ごとに飲む。(前回のブログでも書きましたが、パナドールはお産の進みを遅らせる副作用があります。)

● アドレナリンが出る様なことをする。
手や頭や足を頻繁に動かしたり、「今始まってはやばい!」と頭に言い聞かせたり。
私は手をブラブラさせたり、頭を左右や上下に振ったりしていました。

● 逆子体操をする。(私はベッドから手を床に置き、上半身を下に、お尻を上に上げていました。)

等々、以上の項目は、普通のお産では、行わないように!
これらを行うと、お産の進みが遅くなりますので、お産をどんどん進めたい方は正反対のことをして下さい。

私の場合、陣痛が来るのは夜、眠りについた頃だけでした。
朝日が出てくると、ぴたっと止まります。


ある夜、毎晩と同じように、5分間隔の陣痛があったので、ハーブ等でなんとか間隔を広げ、陣痛が止まる朝方にウトウトしていると、突然、産科医の先生に起こされ、「内診します。」と言われました。

せっかく陣痛もなくなってきて、朝日も出ようとしていて、私もやっと眠れそうなのに、どうして??と聞くと、「念の為」だそう。(Antenatalフロアのナースさんが産科医の先生を呼んだみたいです。)

直感で、「今、内診なんてしたら、子宮口に刺激がかかり、本格的なお産になってしまいそう...」と感じましたが、睡眠不足で寝ぼけていた私は、言われるままに、内診を同意。

これが、間違いでしたね...

内診では、子宮口はまだ閉まっている、という結果でしたが、その後、ものすごい陣痛が始まってしまいました。

内診なんて同意するんじゃなかったー、と後悔しても遅過ぎ。

かなり本格的な陣痛になってしまったので、直に旦那、私のドゥーラさんと助産師さんを呼び、私はAntenataフロアから分娩フロアの分娩室へ移動。

この時、赤ちゃんは27週目に入ったばかり。

未熟児のお産は、あっと言う間に産まれることが多いとは聞いていましたが、分娩室へ到着するなり、陣痛は更に強くなり、既に赤ちゃんが骨盤内に降りているのが分かりました。

でも、私は、落ちついて、前もってトイレで用を足したり、ナプキンを取り替えたり、飲み水を用意したり、マットを出したりすることが出来ました。ここの病院の分娩室はドゥーラの仕事で何度も来ているので、どこに何があるか等知り尽くしており、ささっと自分一人で用意出来ました。(自分で自分のドゥーラをしている感覚でしたね。)

早産ということで、小児科チーム、産科医と助産師さん達が、直に分娩室に集まり、蘇生の準備が行われていました。

私の場合、入院中に胎盤の端からの出血が常にあったので、出産中は大量出血の可能性がある、とみなされており、分娩室の空気はなんとなく緊張感で満たされているようでした。

一方、私は、夜中ずっとレスキューレメディーを飲んでおり、分娩室へ移動する前と移動してからもレスキューレメディーを常に飲んでいた為か、自分でも驚く程落ちついており、周りがあれこれ準備をしている間にナッツをポリポリ食べる余裕もありました。

レスキューレメディーは本当にお勧めです!

間もなく旦那も到着し、10分後には、陣痛も更に強くなり、我慢出来る範囲では絶対に踏ん張らず、体が勝手に踏ん張ってしまうまで我慢。

その間、赤ちゃんの心拍は全く問題がなく、赤ちゃん、本当に頑張ってくれました。
(後に、私の助産師さん曰く、羊膜が全く破れていなかったから赤ちゃんへの負担が少なかったのだそうです。未熟児で羊水が破れている場合、赤ちゃんにとってかなりの負担になるそうです。)

羊膜が膣口から見えるようになってからは、助産師さんが勝手に羊膜を人工的に破りましたが、ものすごい勢いで羊膜がパーンと爆発(?)し、羊水が助産師さんと産科医の先生の顔にパシャ~。(許可なしに勝手に破るからだよ~!)

そして、強い陣痛で体が踏ん張ると、赤ちゃんの頭がゆっくり出てきて(未熟児ですが、会陰のヒリヒリ感はありましたね。)、体はロケットの様に、ドピュ~と飛び出ました。

なんだか、超スピード出産で、赤ちゃんにとってはびっくりするような誕生だったと思います。

赤ちゃんが出るなり、旦那が泣きながら、「男の子~!!」と教えてくれ、私の夢が正夢になったことを知りました。周りからは女の子だろうと言われていましたが、私は、男の子を授乳している夢を2回見ていたのです。

そして、赤ちゃんは、ウギャッととても小さな声を1回だけ出し、直に小児科チームに持っていかれ、皆の心配を裏切るかのように、自分で呼吸していたので蘇生する必要はありませんでした。

たった990グラムの赤ちゃんですが、27週目に入ったばかりにしては良いサイズだそうです。

直に新生児集中治療室へ移動させる必要がある為、カンガルーケアはもちろん出来ません。
でも、移動する前にほっぺたにキスはさせてもらえました。

あっと言う間に生まれ、あっという間に取り去られてしまった赤ちゃん。

あまりにもあっと言う間で、私は悲しむ時間もありませんでした。
やっと終わった、というほっとした感情はありました。
これで、もう妊娠中の出血で心配することはないんだ、あとは、外で頑張ってもらうだけ、と感じましたね。

胎盤は、赤ちゃんが誕生してから、直に出てきました。
かなりの出血があったので、多分、お産中に胎盤剥離になりかかっていたのかも、ということだそうです。

出産後間もなく、私のドゥーラと助産師さんが到着。
もちろん、あまりにも突然のことだったので、お産には間に合いませんでしたが、産後はかなりのサポートをしてくれ、とても感謝しています。

シフトが常に変わる病院システムの中、心許せるサポーター達がいると、かなり精神的に安心出来るのが実感出来ましたね。

とても小さな赤ちゃんでしたが、産むのはやはりそれなりに大変でした。
骨盤や仙骨が広がっていくのが実感出来ましたし、会陰がピリピリと伸びていくのも実感出来ましたし、会陰もほんの少し切れ、1~2針塗った方がいいかなぁ~と言われました。
もちろん1~2針程度の傷であれば、縫わなくても治るので、断りましたが、3日後には全く痛くなくなっていました。
会陰の傷は、ホメオパシーのアーニカとカレンジュラを産後直に飲み、半時間ごとに飲み続けると直ぐに治ります。


空っぽになったお腹を感じては寂しくなりましたが、精神的な面では、旦那、私のドゥーラと助産師さんからのサポートでなんとか乗り越え、シャワーを浴びてから気持ちを新たにし、直に新生児集中治療室へ。

私の赤ちゃんは、最低限のサポートで一生懸命なんとか自分で呼吸。
頑張って生延びようとしており、あらゆるチューブやモニターが産まれたばかりの体についている姿を見たときは涙が流れました。

早産になったママ達にはとてもよくあることですが、私も、自分を責めてしまいました。
こんなに小さくて純粋な赤ちゃんのデリケートな体に、沢山の針、チューブが入れられ、大量の薬が入り、この世に生まれて最初に味わったのは、ママの胸ではなく、痛み。
赤ちゃんは、既に手足、腕がアザだらけでした。

これほど辛い誕生はないのではないでしょうか?

生き延びれるかしら?

将来、障害が残らないかしら?

将来、健康に害を与えるのでは?

あらゆる心配が頭に浮かび上がります。

27週目の赤ちゃんにしては、良い体重だから、生き延びれる確率は高い、と小児科の先生達は言ってくれましたが、それでもやっぱり心配。

全て順調に行けば、赤ちゃんは来年の2月頃には退院出来そう、とのこと。

これから、長い道のりになりそうです。

= 続く =