ショパンの歌曲の録音は
歿後出版された歌曲集
作品番号74に収録された17曲と
その後、発見された2曲を足して
全19曲になることが
多いんですけど
その後さらに
〈どんな花、どんな花冠〉
という曲が発見されました。
というわけで
全20曲となりますが
全てを収録した録音はまだ少なく
手元にある1枚については
以前、取り上げています。
その際、書いたとおり
ソプラノ歌唱版も聴きたい
と思っていたところ
タワーレコード・オンラインで
当初「品切れ・廃盤」だった盤が
「在庫わずか」になってることに気づき
慌てて注文した次第です。
その慌てて注文したのが
今回ご紹介するこちらの盤です。
(波蘭 Acte Préalable: AP 0317、2020.5.31)
ポーランドのレーベル
Acte Préalable が出した
ショパン作品全集の
17巻目らしいです。
ジャケット写真左が
ソプラノの
カタジナ・ドンダルスカ
右がピアノ伴奏を務める
ヨハンナ・ワヴリノヴィチ。
聴いてみたところ
第1曲目の〈願い〉の
最後に至って
後奏中に
スキャットが入り
たまげました。
第2曲め〈春〉では
途中で不自然な間が入るし
第3曲目〈悲しみの川〉でも
最後にスキャットが入ります。
それに
アカペラ曲のはずの
〈どんな花、どんな花冠〉は
ピアノで簡単な伴奏が
付けられています。
別名が〈マズル〉なので
マズルカの原型である
ポーランドの農民舞曲的な
伴奏をつけたのかしらん
と想像されるものの……。
ライナーに書いてあるかも
しれませんけど
まだ確認してません。(^^;ゞ
以前ご紹介した盤の
アントゥル・ルチンスキによる
アカペラのバリトン独唱は
いかにも意気軒昂な学生の歌
という雰囲気があって
卒業旅行先でのスケッチ
という作品の背景と
合ったんですけどね。
全体的に
感情過多に歌い上げる
という感じで
個人的には
あまり好きなタイプの
演奏ではありません。
ただ
ショパンの歌曲の
歌唱法について
こういうふうに歌うべき
とかなんとか
現状はどういうふうに
研究者や演奏家の間で
共有されているのかが
あいにくと分からず。
ある程度
演奏家の裁量に
任されているのかもしれず
こういうのもありなのかと
とりあえず思うしか
ないわけですね。
感情過多な演奏が好きな人も
いるかもしれませんし
そういう方には
おすすめかもしれません。
個人的には
妙な装飾を加えず
素朴な感じの演奏が
好みなので
本盤の演奏は今ひとつ
と思ってしまうのでした。
第17曲目の
〈舞い散る落葉〉のような
悲劇的で陰鬱な曲は
ピッタリというか
さすがに見事に
歌い上げてますけど。
まあ
多少の不満はあっても
本盤を入手できて
良かったと思うのは
ショパンの友人
作曲した歌曲が4曲
併録されているからです。
フォンタナは
遺族から委嘱されて
ショパンが出版しなかった曲を
まとめて公刊した人物ですけど
フォンタナ自身も
音楽を学んでいるので
ショパンの遺稿に
手を加えていることが
分かっています。
そのフォンタナの音楽性が
どの程度のものかを
うかがうことができる
という意味において
本盤は貴重な録音なわけです。
ショパンが曲をつけたのと
同じ詩(悲しみの川)に
曲をつけていて
比較して楽しむことも
できたりします。
フォンタナの
4つの歌に関しては
ドンダルスカも
妙な装飾をつけず
感情過多にもならずに
素直に歌っている
という印象なんですけどねえ。
あと1曲
トマス・テレフセンの
〈アヴェ・マリア〉作品4が
併録されています。
テレフセンはショパンの弟子で
Wikipedia によれば
ショパンはテレフセンの個人的な友人にもなり、その大きな影響はテレフセンの音楽的嗜好、演奏、作曲の様式にまで及んだ。
とのことですから
その縁で収録されたものでしょう。
こちらも
妙な装飾抜きで
素直に歌われています。
フォンタナと
テレフセンの歌曲は
いずれも世界初録音
だそうです。
フォンタナの歌曲は
どれだけあるのか
知りませんが
他のも聴いてみたい
と思ったことでした。
ちなみに
ディスクのレーベル面や
ライナーの裏表紙は
なぜか、ピアノ伴奏者
ヨハンナ・ワヴリノヴィチの
写真のみ。
なぜなんでしょうね。( ̄▽ ̄)


