昨日は町田で

夜の7時から

塾の会議がありました。

 

新刊書店を経めぐり

ディスクユニオンに行って

BOOK•OFFに寄るという

相変わらずの流れでしたが

塾のそばのセブン-イレブンが改装中で

駅まで戻ってローソンによるハメになり

会議が始める前から

何となく疲れてしまいました。

 

それはともかく

ディスクユニオンに寄った際

探していたCDを見つけまして

というか、前日に Amazonで

町田のディスクユニオンが

出品しているのを知り

それを買うつもりだったんですけど

幸い売れてしまうことなく

残っていたのがこちら。

 

《モンテヴェルディ:

 マドリガーレ集*第4巻》

ルーリー指揮《モンテヴェルディ:マドリガーレ集*第4巻》

(ポリドール F35L-50344、1986)

 

原盤レーベルはオワゾリールで

CDの製作はポリグラム。

 

演奏はアントニー・ルーリー指揮

コンソート・オブ・ミュージックで

歌唱者の中にエマ・カークビーがいます。

 

録音は1984年3月に

サマセット州チャードにある

フォード修道院で行われました。

 

邦盤のリリース月日は不詳です。

 

ケース裏を見ても

「X〜87•5•24 H」とか

「8606 マルP1986」

とかあるだけでして

後者から考えるに

1986年6月かも

とは思うんですけど……。

 

 

タスキ(オビ)は

いわゆるシール・オビで

裏面側に

「このステッカーは簡単にはがせます」

と記されていることもあり

はがした人も多いんだろうなあ

と思われますが

こちらは幸い残っていました。

 

そのステッカーの表側に

レコード・アカデミー賞に輝いた第5巻に続く待望の新録音。

気品の高さ、清澄さとともに内面のドラマをも歌いあげた稀有の名唱。

という惹句が載ってますけど

この時点で第5巻は

CD化されておらず

この記述はLP盤のことを指しています。

 

第5巻はのちにCD化され

そちらは幸いにも以前

新宿のディスクユニオンで入手済み。

 

これで皆川達夫が

『ルネサンス・バロック名曲名盤100』

(音楽之友社、1992)の

モンテヴェルディ

〈愛する女の墓にながす恋人の涙〉

を紹介しているページで

記憶されるべきモンテヴェルディ中期のマドリガーレのレコードといえば、やはりコンソート・オブ・ミュージックが演奏した第四巻と第五巻(p,109)

と書いている2枚が揃いました。(^ ^)v

 

 

モンテヴェルディの

《マドリガーレ集》第4巻は

1603年に刊行されたものですけど

刊行以前に

モンテヴェルディが当時仕えていた

マントヴァ公国の近郊にあり

マントヴァ公国とも交流のあった

フェラーラ公国で演奏されたものが

含まれていると考えられています。

 

そのため刊行以前の演奏を聴いた

音楽家のアルトゥージが

自身の著書において

不協和音や半音階的進行に苦言を呈し

モンテヴェルディは第5巻の序文で

それまでの伝統的な作法を破り

いわば第2作法で書いたのだ

と反論せざるを得なかったのは

音楽史上、有名な話として知られています。

 

それをもって

《マドリガーレ集》第4巻は

ルネサンス音楽から

バロック音楽への変化を

象徴する曲集だと

音楽史の中で

位置づけられています。

 

 

これでライナーに

第5巻の序文が訳されていれば

資料的に完璧だったんですけど

とはいえ自分の耳では

あるいは自分の聴取経験の貧しさから

不協和音や半音階的進行が

どうのこうのといわれても

まったく区別ができず。( ̄▽ ̄)

 

普通に

アカペラの5声部合唱曲として

聴いてしまう、聴けてしまうため

第4巻の革新性というものが

今ひとつピンとこない

というのが正直なところです。

 

 

本盤はそれよりも

今谷和徳執筆の

ライナーの記述に

感銘を受けました。

 

それは音楽的な感銘ではなく

マントヴァ公国の隣国の

フェラーラ公国には

宮廷詩人としてトルクァート・タッソ

いたことや

音楽家ルカ・マレンツィオが訪れて

しばらく滞在していたこと、

君主の妹と結婚したのは

あのカルロ・ジェズアルドだという

まるで山田風太郎の明治もののような

人物絵巻に驚かされたのでした。

 

「あの」カルロ・ジェズアルド

と書いたのは

フェラーラ公国に赴く前に

最初に結婚した妻を

不貞の咎で殺害しているからです。

 

案の定、新妻とはうまくいかず

のちに新妻は兄の公国へ戻り

別居状態となったようですけど。

 

 

それはともかく

不協和音とか半音階的進行とか

分からないなりに本盤を聴き

続いて第5巻も聴きましたが

その感想についてはまた

機会がありましたら。

 

最近そんなのばっかりで

すみません。(^^;ゞ

 

 

●修正(翌日、23:06ごろの)

 

モンテヴェルディが

アルトゥージの批判を受け

序文で弁明したのは

第4巻だと書きましたけど

第5巻の勘違いだったので

修正しておきました。

 

第5巻の序文を

第4巻のライナーに訳載してくれ

というのは

当方の言い分の方が

無茶なんですけど

それはそのまま残しています。

 

そのため

文のつながり的に

不自然になった感じもしますが

ご海容いただければ幸いです。m(_ _)m